All you need is black earphone (?)

あたまのわるい音楽ブログ

2012年聴いたCDまとめ(2)

慌ててTSUTAYAで2012年に出たアルバムとか借りてるんですけど、やっぱ1月中とかにやらないとまずいですねこれは。
という訳で、今回はより簡易的ですが続けさせてもらいます。

同人音楽(東方アレンジ)

何その飛び道具。東方アレンジとはなんぞやって話ですが、東方アレンジという一種の音楽ジャンルは説明が非常に難しく(というか説明量が半端無いのです)、東方アレンジやその歴史と趨勢について分かりやすく解説したサイトは未だかつて見た事が無いので申し訳無いですがこのジャンルについての説明は割愛させて頂きます。

focus and defocus / minimum electric design

 ボーカルアレンジ。元はインストアレンジで勝負してたサークルですが、最近はボーカルアレンジが増えてきています。と言ってもアルバムに全曲のインストverを入れる辺りそういう畑出のサークルなんだなぁとは思います。サウンドは乱暴に言ってしまえばジャズやボサノヴァやラウンジやハウスで味付けしたギターロックmeetsポストロックみたいな感じです。曲単位で見れば「眠らない夜に見る夢」や「secret garden」、「上海ノスタルジック」、「Girl Run Girl」が出色の出来。「secret garden」はこれ東方アレンジどころか邦楽バンドにもこんなの演るバンドは少ないんじゃないかと思うギターリフが格好良いお洒落な曲。「Girl Run Girl」はロキノン系とかのバンドが作ってそうな疾走感溢れるギターポップ曲。トータルで見れば後半が少し弱いですね。ただ、歌詞は東方と何ら関係無いです。いや、「secret garden」なんかは原曲が遠野幻想物語ですから橙とマヨヒガの事を歌ってるんだと思うんですが、結局深読みに過ぎないですし。東方アレンジ特有の中二病な歌詞や痛々しい歌詞は無いのでその点は安心出来ますが、こうも原作の匂いがしないと不安になってきます。それなら幾ら中二病的でも原作のフレーバーが少しでも感じられる方が良いですよ。東方アレンジでやる意味が無いのなら……って感じです。それが出来るような資質はあるんですから。作品は文句無しですが、スタイルがどうにもな作品。
(総評:★★★★、特に好きな曲:「眠らない夜に見る夢」「secret garden」「Girl Run Girl」)

World End Wonderland / プレイリーオイスター

 インストアレンジ。グリッチやサンプリングを多様したエレクトロニカです。と言っても、原曲がメロディアスですからエレクトロニカ特有の聞きにくさやとっつきづらさは無く、とってもポップかつ美メロで聴きやすいです。特設ページに「暖かみのあるエレクトロニカ」とありましたが正にその通り。5分以上の曲無いですし。かと言ってエレクトロニカ分が後ろに行っている訳でもなく、バランス良く混ざっているという印象です。あと、音色の選び方や音色の入ってくる瞬間が絶妙。主旋律は埋もれる事なく前面に出てますし、緩急心得ている曲構成の上手さも特徴的。曲単体でも「トケルトキノオト」の浮遊感や音の作り出す世界観が物凄くて泣きそうになる「満月ノ虫ト何処マデモ」(この曲のタイトルは多分神聖かまってちゃんから取られてます)、ノスタルジックなメロディと音色に加えて緊張感のあるサウンドで胸を打つ、アウトロの展開は正に何かが終わる時の断末魔のようにも思える「World End Wonderland」、「廻り道」、そして最後の軽快な打ち込みと重厚なストリングスの対比が印象的な「さよならトリュンメルバッハ」など、素晴らしい曲ばかりです。特に「満月ノ虫ト何処マデモ」からラストまでの4曲の流れは壮絶の一言。個人的にはこんなサークルがある事を知れて良かった、間違い無く2012年に出た東方アレンジのアルバムで一番だと言えるアルバムです。
(総評:★★★★★、特に好きな曲:「満月ノ虫ト何処マデモ」「World End Wonderland」「廻り道」)

Undead carnival / Azure & Sands

 ボーカルアレンジ。迷わず聴けよ、聴けば分かるさの世界ですね。東方アレンジっていつも思うんですが感想書くのが難しいです。サウンドは、Azure & Sandsは作品ごとにコロコロ変わるんですがこのアルバムでは全編お洒落なギターポップ、ジャズのフレーバーが入っている曲もあるという感じ。あと合間にエレクトロニカのインストが挟まっています。典型的なこのサークルのボーカルアレンジアルバムのパターンと言ったところですが、曲に不出来は無いです。何故か妙に中毒性があるおどろおどろしいギターポップ(?)「Loving dead」、つんのめるような疾走感と聞き分けない感じの歌詞が如何にも妖夢だなぁの「じゃっきんゴースト」、可愛らしいキーボードとピアノと壮大なストリングスが織り成すエレクトロニカ曲「スペクトロニカ」、このサークルはこういう飛び道具がいきなり出てくるから侮れないジャジーな「スーパーキョンシーYO・SHI・KAちゃん」、最後は落ち着いたサウンドと美メロの「"Living"s date」で締め。5曲しか収録されていませんが、このテーマならもっと聴いてみたいというか。でもそれは野暮ってもんですね。
(総評:★★★★、特に好きな曲:「Loving dead」「じゃっきんゴースト」「"Living"s date」)

外の世界から / 深夜放送

 インストアレンジ。某所でのレビューによると"腐ったtoe"だそうです。なんとも不健康そうなギターロック、グランジとかオルタナっぽい感じですね。劈くような高音ギターが耳に痛いです(いい意味で)。4曲目「厄と私の間に」はサビでダンサンブルになるドラムが格好良すぎる曲です。多分この曲はドラムが要。2曲目「虫に殺される」は溜めて溜めて爆発させるというお約束を見事に踏襲した(褒め言葉)良曲。3曲目「本当は悲しい」は分断されたリズムが印象的なノイズロック。5曲目「夜行性の怪力乱神一匹」はゆら帝オマージュ。途中の轟音ギターノイズまで完全再現していて笑えます。惜しむらくは、曲数が少ない事と曲がそもそも短いせいであまりサークルの本質が見えてこないって事くらいですかね。「本当は悲しい」は1分も無いんですが、これみたいな曲こそ長尺にすれば面白いのになぁと思います。まだ実力は分からないですね。これから。
(総評:★★★☆、特に好きな曲:「虫に殺される」「本当は悲しい」「厄と私の間に」)

もう一度、銀河 / 銀河ドロップス

 ボーカルアレンジ。チップチューンの入った可愛らしいポップアレンジと女性ボーカル。ボーカルの歌唱力さえ気にならなければどうぞ。3枚目のアルバムですが、1枚目(sparkle talk)のセルフカバーの新曲4曲内2曲インストで構成されています。前作(triple trip)辺りから音遊びの要素が垣間見えてきて面白くなってきたと思ってきましたが、新曲の2曲目「baby, one more kiss」は意外に重いリズム隊と軽快なシンセが曲を盛り上げる繰り返し聴きたくなる曲で期待以上の出来。1枚目のリアレンジは「ラビットチューナー」が一番功を成しています。「3rd STAGE」なんかは前作の音遊びの要素を入れていてこちらも好きです。ボーカルもこの曲が一番歌唱力の上達を感じられると思います。ただ「スターライト」のリアレンジはどうにも。原曲が物凄く好きだったので思い入れのアレかもしれませんが。ラストの「ENDING」は"亡き王女の為のセプテット"のアレンジで疾走感のある良曲。かと思えばアウトロではピアノソロでのアレンジも。このサークルの落ち着いた曲を聴くのは初めてだったので少し驚きました。余談ですが、1stはプレスCDで2ndはCD-R、今作もCD-Rで更に遂には歌詞カードも無くなったんですけど次作が出るか少し不安です。
(総評:★★★★、特に好きな曲:「baby, one more kiss」「ハートランド」「3rd STAGE」)

VOCALOID関係

VOCALOIDという一種の音楽ジャンルは説明が非常に難しく(というか説明量が半端無いのです)、VOCALOIDやその歴史と趨勢について分かりやすく解説したサイトは未だかつて見た事が無いので申し訳無いですがこのジャンルについての説明は割愛させて頂きます。

OSTERさんのベスト / OSTER project

OSTERさんのベスト

OSTERさんのベスト

 OSTER projectさんとは「恋するVOC@LOID」なんかを作った人です。かわいいミクうた(?)とかの先駆けかつ第一人者ですね。そのベスト盤な訳ですが、曲の完成度は非常に安定しています。全曲ポップ、取っ付きづらさ皆無。甘すぎるサウンドと歌詞。あざとくかつ機械音が残るVOCALOIDの歌唱。多分こういうのが嫌いでボカロ嫌いになった人は多いと思います。そんな曲達で占められているアルバムなのでもう書く事が無いです。あとは内輪話っぽい話になりますが、全曲ボーカルが録り直されていますが「ピアノ×フォルテ×スキャンダル」は原曲の機械臭さが無くなって良い出来になったと思います。「Lollipop Factory」は某曲と似ているという事で悪名高い曲ですが、そもそもOSTERさんが中田ヤスタカに影響を受けているのは周知の事実ですのでこれくらいは十分許容出来る範囲だと思います。あと「マージナル」のバックが全体的に煩くなったのはどうにも頂けないですね。正直OSTERさんが「恋スルVOC@LOID」や「フキゲンワルツ」や「ちょこまじ☆ろんぐ」や「マージナル」みたいな素直ポップな曲を作り続けていってくれさえすればボカロの将来は安泰だと思ってます。素直さ無くただあざといだけの売れ線は醜過ぎる。決して"ユメミルコトノハ"が入らなかった事を恨んではいません。
(総評:★★★★、特に好きな曲:「恋スルVOC@LOID」「ちょこまじ☆ろんぐ」「マージナル」)

幻実アイソーポス / sasakure.UK

幻実アイソーポス(初回生産限定盤)(DVD付)

幻実アイソーポス(初回生産限定盤)(DVD付)

 sasakure.UKさんとはあの「*ハロー、プラネット。」なんかを作った人です。サウンドはピアノやキーボードが前面に来るポップスがメインです。歌詞は言ってしまえばセカイ系、あとはアルバムタイトルの雰囲気から判断して下さい。個人的には好きですが。ほぼVOCALOIDの曲と生声ボーカルの曲が交互に来る構成で、恐らくそういう感じのテーマがあるんでしょうが前半の曲は「ロストエンファウンド」以外あまり面白味がありません。そもそも生声ボーカルの曲がほとんどただのJ-POPやアニソンレベルな感じになってしまっているのは頂けないですね。かの土岐麻子さんボーカルの曲もありますが、これも特に気負いは無くいつも通りの曲作りをしている印象。サウンドとしては前作"ボーカロイドは終末鳥の夢を見るか?"よりも歌メロが前面に出ている印象。それに比べてポップさはむしろ減退したような……。装飾過多な気もしますし。前作収録曲のある意味のシンプルさや取っ付きやすさ、歌詞の簡潔さが薄くなってしまっている気がします。こういう路線が好きな人の方が多いんでしょうが、元々"ニジイロ*アドベンチュア"と"アドレッセンチメートル"のシンプルなポップス曲で好きになった僕としては何とも複雑。
(総評:★★★☆、特に好きな曲:「ロストエンファウンド」)

よりぬきほぼ日Pさん / ほぼ日P

よりぬきほぼ日Pさん【初回限定盤】

よりぬきほぼ日Pさん【初回限定盤】

 ほぼ日Pのベスト盤。歌詞は社会派、サウンドは全打ち込みのポップスです。あと音が薄く(特に低音)打ち込みは割としょぼいです。更に収録曲はメジャーの事情で過激な曲がかなりカットされているので某所ではほぼ日Pの上辺だけをなぞった選曲とも比喩されています。ほぼ日Pの曲は(過激な)歌詞に重きを置いている曲が殆どですので、その場合メロディーは二の次になっている場合が多い感じです。曲単体ではこの曲だけ超絶ポップな「メガネが好き」、歌詞は随一に過激な(この歌詞はゆのみP騒動の時に作られた歌詞ですね)「パクりパクられて創るのさ」、生ドラムじゃないのが本当に惜しい「名前を聞いてもわからない」、明らかにwowakaさんやハチさんや最近のボカロ界隈を批判した「ボカロPっていましたよね?」がお気に入りです。それにしても「パクりパクられて創るのさ」や「この次はモアベターよ!」みたいなタイトルや曲を見ていると音楽、特に渋谷系が好きなんだなぁと思います。ボーナスディスクはこちらはメロディーに重きを置いた曲が多い印象で「水曜ランナーズ」「土砂降り日和」が好きです。「土砂降り日和」なんかは雨が降っている日なんかに聴くと風情があって本当に良いですね。
(総評:★★★☆、特に好きな曲:「メガネが好き」「水曜ランナーズ」「土砂降り日和」)

渋谷系 feat.初音ミク

渋谷系 feat.初音ミク(外付け特典ポスターなし)

渋谷系 feat.初音ミク(外付け特典ポスターなし)

 まあamazonを見て頂ければ分かると思いますがどうしようもないアルバムですね。ムーンライダーズのカバーアルバムと言いこういうの好きな人が居ると思うんでしょうか。商業的には絶対ラスト2曲のオリジナル曲を売る為だけに出された企画CDだと思います。力の入れようが他の比じゃないです。選曲は"ピチカート・ファイヴ"や"フリッパーズ・ギター"や"オリジナル・ラブ"やの渋谷系の大御所な感じですね。カヒミカリィカジヒデキなどのポスト渋谷系辺りからも。それにしてもオザケンだけ3曲も選曲されてますね。カバー自体はラウンジ風にカバーしたりダンスポップ風にしたりと結構良い出来で音が薄いです。「ラヴリー」だとミクも『らふいずかみんばっ』とか棒読みで歌ってますね。抑揚も一切無い棒読み歌唱とか嫌がらせかと思います。多分調教ミスとかじゃなくて単純に嫌がらせのためにそう歌わせたんだと思います。「ベイビィ・ポータブル・ロック」は例外ですがあれはいろんな意味で例外なのでしょうがないです。最近僕はVOCALOIDにわざわざ歌わせる意味とかボカロのアイデンティティなんかを考えたりしてましたが思えばボカロにはこういう使い方もあったんですね。選曲は「私のすべて」とかの方が良かったんじゃないでしょうか。「ラヴリー」とか全然ラヴリーじゃないし。本当、もう他の収録曲は良いんですよ。「ぼくらが旅にでる理由」(原文ママ)、「東京は夜の七時」なんかはあれでボーカルがあんなに貧相じゃなければかなり出来の良いラウンジカバーだと思いますし。6分もピアノとドラム聴かされて追加要素がトランペットだけって流石にね。最後ちょっとストリングス聴こえましたけどあんなんなら無い方がマシです。個人的にはこういうアルバムこそ渋谷系が本当に好きそうな人、ほぼ日Pとかsasakure.UKさんとかに頼んでカバーしてアルバム作れば良かったのにと切実に思いました。救いはラストの19(スイーツ(笑)P)さんっぽいギターリフがキャッチーな「渋谷Twinkle Planet」だけです。……多分後年見た時にはVOCALOIDの流行が産んだ負の遺産として片付けられていると思います。っていうか黒歴史
(総評:★、特に好きな曲:無し)