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あたまのわるい音楽ブログ

HASAMI groupの5th~20th(12thを除く)アルバムを通しで聴いたのでフルアルバム全作感想

ここ数ヶ月でHASAMI groupにドハマリして全アルバム一気に聴いたので感想を書いていきたいと思います。個人の感想です。

また、現時点で網羅したのはフルアルバムのみでEP作品他はまだ全部聴けてないのですがそれは今後の楽しみに取っておこうと思っております。

5th. 鉄街ろまん

今のHASAMI groupのイメージで聴くと取っ付きやすさが微塵もなくてまず驚く。ポップさの欠片もないハードで重苦しいアルバム。
音楽性的には後の作品よりもテクノポップハードコアテクノの影響が強い気がします。
電気パーティー」ではタイトル通り電気グルーヴの「ママケーキ」をサンプリングしてたりしますね。
また、表題曲「鉄街」の歌詞からは某冷凍都市について歌うバンドのような視点も感じられます。
全体的に好きな音楽から受けた影響をそのまま素直に出している感じで、そういう意味では微笑ましい作品とも言えなくもないです(あまりにも攻撃的なのでそこまで安心して聴けないですが)。
ただ「飛べない小鳥」だけはマジでヤバい。多重録音のトチ狂った語りから始まりド下手な合唱が繰り広げられるという曲なんですが、これ以降の諸作で顕著になるHASAMI groupの狂気性が早くも噴出している曲。夜中に聴いたら本当にトラウマになると思う。

好きな曲「飛べない小鳥」「DRAGON

6th. icky sump

初期(9th.「Scream Kiss」までを勝手に初期だと思っている)のHASAMI groupのアルバムでは一番好きです。
前作に引き続きハードで重苦しい作風で、更にはそこに陰鬱な狂気性までプラスされているのでかなり混沌として混乱した内容。
まず1曲目が20分近い語りな時点でイカれてるんですが、その中身もかなり露悪的で意味不明で不快で狂った内容。
なんですが、その20分近い語りを延々聞かされたラストにタイトルコールが為され、そして表題曲「icky sump(泥泥粘粘)」が始まる瞬間に謎の感動がある。本当に謎。
前述したようにポップさが微塵もなく歌詞もかなり混乱した内容が続く暗いアルバムなんですが、音使いは前作よりこなれてる感じが(若干)するので流れで聴くと結構聴きやすいです。

好きな曲「icky sump(泥泥粘粘)」「毒リズム」「桜んぼ

7th. スクールノイズショウネンショウジョ

引き続きポップさの微塵もないアルバム。むしろ前作より取っ付きづらい気がします。
耳を劈くような絶叫だけで終わる曲「保育シャウト」(どんな曲名?)があったりと相変わらずリスナーを敵視するような音楽が繰り広げられてるんですが、前作、今作と着実にアレンジや音使いの幅が広がっており次作以降に繋がるような進化も感じさせます。

好きな曲「小学シャウト」「東池袋

8th. tower of 1999

転機という言葉が相応しいアルバムだと思います。
なんといってもラストに置かれた「Deceiver's Life」、今作以降のHASAMI groupの方向性を示している大変重要な曲。
R&B調の曲ですが、(メロディアスな時の)HASAMI group特有のお洒落なコード使いやエレピ中心の澄んだ音に歪んだシンセを混ぜるというような独特なアレンジセンスがこの曲で早くも表れています。
流れで聴いてるとこの曲で突然超ポップになるので驚く。普通もうちょっと段階踏んでポップになるものでは……?
アルバム全体で見るとこの「Deceiver's Life」がハチャメチャに浮いてるんですが、他の曲も前作に比べて聴きやすくなりました。
特に「1999年タワー」「ill」は前作以前の攻撃性が聴きやすいかっこよさに転化されたこれらも重要な曲。
それ以外も相変わらず狂った雰囲気は随所に窺わせつつも、なんとなく人懐っこさというかユーモラスな雰囲気が出てきたかなという印象です。

好きな曲「1999年タワー」「ill」「Deceiver's Life

9th. Scream Kiss

初期の代表作「すずらん」が収録されたアルバム。
個人的な印象としては前々作以前に先祖返りしたような感じ。人懐っこさは減退し、ジャケットが表しているようなダークで陰鬱な雰囲気の楽曲で多く占められてる感じです。
その中にあって「Lily Sensor(I am the body)」のストレートな疾走感と「吉原遊郭」のユーモアが聴いていて安心できるので好きです。

好きな曲「Lily Sensor(I am the body)」「吉原遊郭」「すずらん

10th. 部屋と空

青木さん自身がライナーで書いているように、HASAMI groupのスタイルがここで確立された記念すべきアルバム。
HASAMI groupが初めて明確にメロディと歌をメインに据えたと言えるラスト4曲の流れは本当に感動的。
Rainy」「シンプルノットローファー」「全て」「音楽は死ねない」その全てが自らの置かれた青春を体現し、そこに捧げているような青さ溢れる名曲。
歌詞も「雨夜の階段を上る私たちは耐えている(Rainy)」「どんなどんなどんな遠くまで聞こえるような幸せな歌を捧げたい(シンプルノットローファー)」など美しく詩情のあるフレーズを連発しており非常に冴えています。
何より今までの5作で学生生活の暗部をひたすら晒し続けていたことを踏まえて聴くと、ここで放たれるストレートなメッセージに本当に胸を打たれる。
前半も「自閉症一瞬で治す音楽」「佐々木希VS北川景子」「Erectric Brain's Major System」を筆頭にテンション高く攻撃的ながらもポップな曲が揃っており、HASAMI groupの持つ攻撃性と叙情性が混ざり合っている素晴らしいアルバムだと思います。

好きな曲「Erectric Brain's Major System」「Rainy」「シンプルノットローファー」「音楽は死ねない

11th. flower

前作を引き継いだ勢いに満ちているアルバム。
まず冒頭「面白くない夢」がオープナーに相応しい、物悲しさを伴って疾走するとても切なげな曲。これが植物人間の歌であるという噂は本当なんでしょうか。余談ですがLOWPOPLTD.によるカバーも素晴らしいです。
全体的には歌モノは少なめでハイテンションかつ狂気的なユーモアを纏った曲が多く占めていますが、その中で「BI☆BI☆BI☆蛇」は頭抜けているように思います。
タイトルの連呼が耳に残る。スタイル的にも初めて明確にヒップホップを取り入れた曲ということでターニングポイント的な作品ではないでしょうか。
そしてこのアルバムで特筆すべきはラスト「夕べのラブソングはぜんぶ嘘」、震災で被災地のニュースが流れてくる中で書かれたというこの曲は死と愛について書かれたストレートなバラード。
メロディに乗り切らない歌詞が半ばポエトリーリーディングのように語られていく様は楽曲に収まりきらない熱を感じさせられて本当に胸を打つ。
混沌としたアルバムの締めにこういったストレートなメッセージを突きつけるという構成も素晴らしいです。

好きな曲「面白くない夢」「BI☆BI☆BI☆蛇」「夕べのラブソングはぜんぶ嘘

11.5th Slow Warning Slow

11.5thと称されたアルバム。こちらも歌モノは少なめで疾走感のある曲が多く入っている印象。
ただそんなアルバムの空気をラスト「Stand Earth Group Hopper」が全て塗り替える。「世界」と対峙する確固たる意思のある強いメッセージを持った曲。
不穏な雰囲気なんですが裏声コーラスが妙なキャッチーさを醸す「Circle Sunday」悲痛なメロディの「アオモルフォ」も好きです。

好きな曲「Circle Sunday」「アオモルフォ」「Stand Earth Group Hopper

12th. 青春時代

代表曲「病気が治ったら」を収録。Bandcampに無いので未聴です。

13th. Neon Cemetery

不穏ながらも可愛らしい雰囲気のあるイントロダクション「Welcome to Neon Cemetery」から始まるアルバム。
ポップな歌モノ「恋はサンダー」「WARP」も収められていますが、基本的にはちょっと暗めの印象を受けますね。
というのも10曲目「Ice Cream」からの流れがすごい。アルバム後半、ラストに向けてタイトルを象徴するように作品はどんどん生気を失っていく。
輪郭の朧げな音色で埋め尽くされた「Ice Cream」~「capital punishment of puke city 101」(「Neon Cemetory」とはこのpuke cityのことなんでしょうか)を経て、「Crazy About All」に至る流れがこのアルバムの肝だと思います。
Crazy About All」は篭もった音色のピアノがノスタルジックで切ないメロディを奏でるインスト曲。聴いていると廃墟を眺めているような、郷愁と不気味さを同時に喚起させられます。
その後、穏やかでポップながら気味の悪い終わり方をする「Bye Bye Neon Cemetery」の後、きらびやかなエレピとメロディでこれも既に無くなってしまったものに対する郷愁を感じさせる「Cinematic」でアルバムは穏やかに終わります。
暗いと言っても初期のような攻撃性から来る暗さではなく、ノスタルジアや生気の失ったような穏やかな静けさを表現したという点であまり他のアルバムとは似ていない個性的な作品かなと思います。

好きな曲「恋はサンダー」「WARP」「Crazy About All」「Cinematic

14th. しか

ポップで賑やかな曲が多く収められたアルバム。可愛いタイトルとジャケットからも人懐っこさを感じます。
10代の詐欺師たち」「鞍馬の小学生」「ブルーライト・グラスタンク」「My Room 1993」「Waiting More」「秘密」などメロディアスな良曲が詰まってて充実した作品だなと思います。
特に「10代の詐欺師たち」はタイトル通り青春感溢れるキラキラした名曲。美しいピアノのリフから一気に音が溢れ出てくるイントロが気持ち良すぎる。「10代最後は青春詐欺師」と嘯く言語センスも相変わらず素晴らしいです。
ブルーライト・グラスタンク」「My Room 1993」「秘密」などは前作にあった哀愁感を引き継いで更にモノにしている感じもあります。
HIKIKOMORI SONG」「パセティック血」あたりの曲は歌詞で言っていることは初期の暗い世界観の時期と似通ってるところもありますが、それでも楽曲はポップなのが作風の変遷を感じますね。

好きな曲「10代の詐欺師たち」「秘密」「しか

15th. 直樹!僕は…

超名曲「Summer」収録。僕がHASAMI groupで初めて聴いた曲にして一番好きな曲です。
ギターなのかシンセなのかわからないブッ潰れた音の壁で一気に空間を塗り替えられるようなイントロに一発で心を奪われました。
その後、HASAMI groupでは十八番の音色であることを知るのですがこの曲が最も効果的に使われているのではと思います。
そんなイントロから始まり、小節の最後で音を外すヒリついたリフ、ピアノのアルペジオと連打、Aメロで入ってくるへろっへろなボーカルの合ってるのか合ってないのかわからないメロディライン、Bメロの音の割れたコーラス、そしてサビ「少女の夏」からの裏声コーラスの異常な重ね方! 全てが美しい。
重ねて壮絶なのが「朝からビデオだ 苦いな 鋭いな」から始まる異常なセンスの歌詞。
Aメロはマジで再翻訳にでも掛けたのかってくらい意味不明な単語の羅列なんですが、何を言いたいのかが痛いほど分かってしまう。
Bメロの10代の夏ならではの感覚、そして時折挟まれる情景描写に光景をありありと想起させられる。
夏を「食べてはいけないものを食べてしまったようなそんな感じです」と表現するのは掛け値なしに天才的。「今日も暑いな」に至るまで非の打ちどころがない、素晴らしい歌詞です。
いろいろ挙げましたが、しかしこの曲で一番の立役者はやはり音割れを全く気にしない雑然として混沌としたミックスでしょう。
これらを整然とした音で鳴らされても何も響かないはずだと思う。この全ての音が割れて潰れて重なっている様こそが夏、それも10代の夏を体現している。
人気投票のコメントで「タイトルが無くてもこの曲は夏の曲だと分かる」というコメントがありましたが、自分もそう思います。
ネット音楽、アマチュアリズムという文脈から見ても生まれるべくして生まれた名曲です。
ぶっちゃけ個人的な意見だとこのアルバムはこの曲に全部持っていかれてるんですが、「新幹線」の前々作を引き継いだような穏やかなポップさと「ナイトウォーク」「冬の朝に制服で君は」の疾走感も惹かれるところです。
その他の楽曲も少年時代をテーマにした曲が多く、こちらも独特な世界観を持っているアルバムかなと思います。

好きな曲「新幹線」「ナイトウォーク」「Summer

16th. 夜行性孔雀ブート

作風的には若干初期~中期に先祖返りしたような狂気をうっすらと感じさせるアルバム。
N.B.A」の焦燥感を煽る雰囲気と途中の気持ち悪い内容の語りはそれこそ初期のアルバムにも入ってそう。
MONKEY憲法」は風刺性があるんだか無いんだか分からない歌詞を異常なテンションで捲し立てる曲。なのに何故かめちゃめちゃかっこいい。
そんな中で「近くに、私がいないよ」は独特の言語センスとそれこそアイドルソングのような可愛らしくキャッチーなメロディが耳に残る叙情的な良曲です。
窒息」も初期の陰鬱な空気感を思い起こされますが、歌詞に明確に救いを用意しているのがこれも作風の変化を感じさせるところです。

好きな曲「近くに、私がいないよ」「MONKEY憲法」「窒息

17th. Heart Wire Tapping

ロディアスな歌モノとそれ以外の曲のバランスが良く、キャッチーで個性的な曲がいくつも収められているアルバム。
イントロダクションを挟んで実質のオープナーである「PENIS THUNDER」、タイトルも歌詞もかなり終わってますがしかしメロディが妙に耳に残る良曲。
前半のハイライトとして置かれている「転校生」と「LADY」はどちらもHASAMI groupには珍しく歌詞もメロディもとてもストレートに作られている、透明感のある綺麗な曲。
それ以降も曲はネオソウル的で非常にお洒落なのに歌詞が終わっている「Afterimage of Anime」、淡々としたピアノとオルガンに謎の焦燥感を煽られる「かしこい猿」、暴力的なシンセの音に話の通じない狂人の語りが乗る「SLEEPWALKER」など強烈な個性を持つ曲が並びます。
個人的には後半に置かれた「謎の調査団」がとても好き。エレピが敷かれたメロウでお洒落なトラックの上に小気味いいフロウのラップが乗っかる曲。
「あなたは経過した時間のせいかまるでイカれたマウスみてぇだ」の気だるげなフロウと韻が非常にクールで、HASAMI groupのヒップホップ路線の曲では頭抜けているなと思います。
自分のバイオグラフィを振り返り、そして決意表明をする「やぁ、それでもやるぞ」そして感動的なストリングスの導入から始まるダンサブルなディスコチューン「I Love You」で気持ちよく締めるという構成がまた素晴らしいです。
全体通して個性だった曲がいくつも並んでいるとても充実した作品かなと思います。

追記
Bandcamp版では上の17曲ですが、初版では15曲目にフィッシュマンズのカバー「いかれたBaby」が収録されていたようです。
これがとんでもない名カバー。HASAMI groupの語法で原曲の持つ儚さが完璧に表現されている。
www.youtube.com
これを含めて流れで聴いてみると、明らかにこの曲がアルバムのクライマックスとして機能しているので印象がかなり変わると思います。

好きな曲「PENIS THUNDER」「転校生」「LADY」「SLEEPWALKERS」「謎の調査団」「I Love You

18th. アニメーションウォッチャーズ

「部屋と空」以降の作品には非常に珍しく、歌で聴かせる楽曲が「ツイソ」一曲しかないというアルバム。
ほとんどが攻撃性と勢いで聴かせる曲ということで初期~中期のあまりポップではなかった頃の作品を思い起こさせたりします。もちろんその諸作よりは全然ポップですが。
その「ツイソ」はシンセの壁で埋め尽くされた浮遊感溢れる曲。お洒落な雰囲気も感じます。
そしてラストに置かれた「防音都市」が何気にとても好きだったりします。裏声のコーラスが耳に残って離れない。
歌詞もかなりインパクト大。「龍一郎、もっとヤバい音楽を作りなさい」

好きな曲「Digital再燃」「ツイソ」「防音都市

19th. MOOD

前作からの揺り戻しか、キャリア随一にキャッチーでストレートな作風と言えそうなアルバム。
まず「PIANO」「君の街は」のメロディアスな楽曲2つから始まるという構成が今までのアルバムには無かったものです。
それ以降の曲もポップな曲が多く収められています。特に連打されるピアノに乗せて防菌を高らかに歌う「夢の泡立ち」とアイドルポップみたいな可愛さなのに歌詞が終わってる「立ちすくむ国家」が白眉。
また、「ショック情報」や「異次元」のような初期っぽい楽曲であってもあまり激しさは感じられないというか、聴きやすい音に纏められているのが特徴的。これは賛否両論ありそうですが個人的には良い変化かなと。
ただ、そんな中で終盤に置かれた「Cameraman」はこの概ねポップなアルバムの暗部を全て一身に受けているようなドス黒く気持ち悪すぎる曲。
ゲームオーバーのSEをずーっとループしてるような気持ち悪いシンセの連打にボイチェンで犯罪者みたいに低くされたボーカルも超気持ち悪いんですが、歌詞が一番ヤバい。
久々に狂人全開の歌詞なんですが、「病院にカメラマンがやってきて病気の変な顔を撮っていく」というサビの連呼が壮絶。「病気の変な顔」て。
そんな曲もありつつ、そしてラストに置かれた「景色がほしい」は個人的に「Summer」とツートップで並ぶ大名曲。これもイントロのホーンから空気を塗り替えられます。
この曲はなんといっても歌詞ですね。
「Hello Hello Hello I Don't know result of mayoral election.」という投げやりな一節から始まる歌詞で描かれる情景は人として割と終わっており、しかしどこにでもあるような光景。
そんなどうしようもなさとこんがらがった心情を抱えつつもささやかな幸福を得て、「科学と愛」を信じながら二人で生きていく、その様が本当に美しくて感動的だなと思います。
全てのフレーズが独特かつ詩情に溢れたセンテンスで素晴らしいんですが、特に「この街では犬や猫が売られてるから老後も心配ないよ」というフレーズに初めて読んだ時は大変衝撃を受けました。
極めて資本主義的な幸福を自虐するような目線でありながら、しかし優しげにそれを肯定もしている。
小市民として生きていく幸福というものをちょっと他にはない異常な切り口で肯定しているフレーズで、こんなフレーズを編み出せるなんて本当に詩作の才に溢れている方だなあと思います。

好きな曲「夢の泡立ち」「異次元」「景色がほしい

20th. DOITORA

前作に引き続き非常にポップでストレートな一枚。
まずはなんといっても前半の「Abnormal Rain」「EVERYDAY」「Recapture」というキャリア随一にメロディアスな曲が立て続けに3曲続いている流れが素晴らしいです。
Abnormal Rain」は美しいピアノとストリングスが織りなす静けさに満ちた曲。青木さんの線の細い声のボーカルも曲に合っていてとても綺麗な曲だなと思う。
EVERYDAY」は跳ねるようなリズムとピアノが中心に置かれた穏やかで心地良い曲で、サビの「愛は不変 クレイジーかな バカみたいに張り切ってしまう」のフレーズが胸を打ちます。
Recapture」はシングルにもなった渾身の一曲。混沌とした1番のAメロ、軍歌のようなBメロからドが付くほどキャッチーなサビメロに雪崩込むという展開が気持ち良い。
「何かに心動かされた時に言葉にするのではなく、ただ抱いた感情を大事にしたい」というメッセージが込められた歌詞も素晴らしいです。
後半にも「反テクノロジー」「200年後のループ」「道と記憶」のような美しいバラードが何曲も収められています。
特に「道と記憶」はHASAMI group十八番のノイズギターとピアノがしわがれたボーカルと合わさり儚げな美しさを放っている名曲です。
中盤には「インターネット向きすぎ君」「エグすぎる」「計画」など妙な曲もいつも通り入っているので安心。

好きな曲「夜風の槍」「Abnormal Rain」「EVERYDAY」「Recapture」「道と記憶