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あたまのわるい音楽ブログ

アルバム初聴メモで取り上げた作品一覧 (2021年6月まで)

 毎月一回、その前月に聴いたアルバム(シングルの時もある)で気に入った曲をまとめて感想記事にするということをやっています。
 以下は今まで取り上げた作品一覧です。

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アルバム初聴メモ 2021年10月編

※個人の主観的感想です。怒らないでください。
※通しで一度聴いた時点でのメモ書き程度です。


10/24

縫層 / 君島大空

 邦楽。2020年。
笑止」「火傷に雨」がよさげ。

 七尾旅人さんの「八月」をカバーしたという話を聞いたので聴いたシリーズ。複数の曲を切り貼りしまくったような転調変拍子使いまくりの脱構築的なポップ。こういうの好き。
笑止」がハードロックをズタズタに解体して再構築したみたいな曲でとてもかっこいい。
火傷に雨」もめっちゃポップでいいですね。これもボーカルがかなりオフビートでおよそ一般的なポップスからは逸脱してる曲なんですけど、メロディがすごく良い。独善的ではなく開けた感じで多くの人に刺さりそうな、ポップミュージックとしての強度を感じる。

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 アンセム感ある。つよい。


10/27

Good Grief! / James Ivy

 洋楽。2021年。
Headset Go」「Last Star」「Pushin' Thru It」がよさげ。

 Porter Robinson「Something Comforting」のカバーがめっちゃよかったので聴いたシリーズ。最新式のインディーロックって感じでかっこいい。
 ググって出てきた情報によるとPC Music周辺の音楽に触発されて初期はそういったエレクトロニックミュージックを作ってたみたいですが、そこからギターでの作曲に鞍替えしたらしいです。確かに、曲の細部に生音系ではない音楽からの影響を感じる。

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 爽やかなギターポップゼロ年代っぽいノスタルジックさを感じさせて良い……やっぱこういうの好き……。


10/28

変身 / ハイスイノナサ

 邦楽。2015年。
変身」「ブラインド」がよさげ。

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 ポストロック! こういう細かい音とロングトーンが同時に鳴ってる曲好き。


10/29

衆道徳 / 公衆道

 洋楽。2015年。
白い部屋」「」がよさげ。

 アーティスト名がすごいので聴いたシリーズ(今は変わってる)。韓国の宅録アーティストらしいです。「白い部屋」の不気味で耳に残るメロディが最高。

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 めちゃめちゃ耳に残るメロディ。やっぱり韓国の土着的なセンスが出てたりするんだろうか。少なくとも日本のアーティストからこういうメロディはあんまり出てこない気がする。

アルバム初聴メモ 2021年9月編

※個人の主観的感想です。怒らないでください。
※通しで一度聴いた時点でのメモ書き程度です。


09/04

最後の晩餐 / ムーンライダーズ

 邦楽。1991年。
Who's gonna die first?」「プラトーの日々」がよさげ。

 1986年から活動休止していたムーンライダーズが91年に活動再開しての一作目。
 言ってしまうとかなり時代を感じる音ですね。このアルバムは白井良明さんがサウンドのイニシアチブを取っているようなんですが、氏の当時の志向が反映されているようで全体的にハードロック+ハウスミュージックという趣。こういう90年代初頭特有の音は未だに慣れない……。
 ムーンライダーズの代表曲の一つである「Who's gonna die first?」はキャッチーなメロディに白井さんのハードなギターが暴れ回る曲でめちゃめちゃかっこいいんですがリズムトラックが今の耳だとチープに感じてしまう。これアップデートされた音で聴きたいな……と思ったのでライブ盤を探して聴いたりしました(後述)。

A.O.R. / ムーンライダーズ

 邦楽。1992年。
幸せの洪水の前で」「ダイナマイトとクールガイ」「レンガの男」「月の爪」がよさげ。

 ムーンライダーズの復活二作目。
 こちらもなかなか時代を感じますね。代表曲「ダイナマイトとクールガイ」も2000年代以降のライブ音源の方がかっこいいです。
 ただハウス歌謡的な「レンガの男」はリズムトラックが重くてかっこいい。カッティングギターもムーンライダーズには珍しいスタイリッシュさ。
 そしてなんといってもラストに置かれた「月の爪」が素晴らしいです。乾いたドラムの音がループする中で陰鬱なギターと輪郭の朧げなシンセパッドが鳴り響く曲。アルバム中この曲だけほとんど90年代初頭的なサウンドエフェクトが用いられておらず、ボーカルもノンエフェクトなので非常に生々しい音という印象を受ける。曲自体もひたすらどんよりとした雰囲気のままでアルバムごと終わっていくのでかなり異様な空気なんですがそれがいい。2000年代以降のムーンライダーズの音を予期させる曲でもあると思います。

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 これだけマジで浮いてるのなんなんだ……。


09/05

THRILL OF IT ALL / ECD

 邦楽。2000年。
地球最後の日」「ケルト」がよさげ。

 前作「MELTING POT」もまあまあキマってましたがこのアルバムは更にそれを超えてキマってますね。制作期間がECDさんのアルコール中毒が一番酷かった時期とその回復期に被ってるらしいのでさもありなん。
 陽気なメロディと何らかのアニメの台詞が4分間ずっとループして最後の1分しかECDさんのラップが出てこない1曲目「大脱走」からかなりイカれてます。でもラストの「やっと出てきたECD!」の叫び、そして「大脱走」というタイトルを踏まえるとちょっと感動的な気もする。
 それを引き継いでの2曲目「オレは喋るSAXは叫ぶ」は「こんばんはECDです。今日は僕の初めてのSAXを聴いてください」という口上から始まり、その後ひたすら展開も何もなくサックスを一定間隔で吹き続けるさまを聴かされるという(最後ちょっとラップ出てくる)曲。完全にキマってます。
 そこからは割と真っ当にサンプルのループ+ラップという形式に則った曲が並びますが、リリックは相変わらず病んでいる内容が並んでいます。「シリカゲルだけで死にかける」なるフレーズを繰り返す「地球最後の日」、「安眠できるところを探そう」と繰り返す「ケルト」あたりはずっと聴いてたら深みに落ちそうでかなり怖い。

黄色人種 / Shing02

 邦楽。1999年/2003年再発。
」「¥都」「No.13 reprise」がよさげ。

No.13 reprise」がめっちゃ好きです。メロウなトラックが物悲しい。

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 こっちは怖い方。楽曲のテーマを考えるとこっちの奇妙で不穏なアレンジの方が合ってる気もする。


09/07

Ciao! THE MOONRIDERS LIVE at NAKANO SUNPLAZA HALL 2011.12.17 CD & MORE... / ムーンライダーズ

 邦楽。ライブ盤。2011年。
鬼火」「who's gonna be reborn first?」「Who's gonna die first?」「DON'T TRUST ANYONE OVER 30」「Frou Frou」「オカシな救済」「Masque-Rider」「ボクハナク」「Cool Dynamo, Right on」「ダイナマイトとクールガイ」「トンピクレンッ子」「ヤッホーヤッホーナンマイダ」がよさげ。

 2011年の活動休止前ラストライブを収録したライブアルバム。
 演出、選曲ともに非の打ち所がないライブだと思います。収録された曲はどれも現代的にアップデートされていて、楽曲のストレートな良さを感じる。「鬼火」「Who's gonna die first?」「DON'T TRUST ANYONE OVER 30」「Frou Frou」は個人的に原曲超えです。静謐な「鬼火」から始まる構成が最高(「くたばれムーンライダーズ」→自殺の曲から始まるというひねくれっぷりが素晴らしい)だし、「Who's gonna die first?」からの3曲の元気さが嬉しい。


09/09

MOON RIDERS / ムーンライダーズ

 邦楽。1977年/2015年再発。
紅いの翼」「お洒落してるネお嬢さん」「マスカット・ココナッツ・バナナ・メロン」「湊町レヴュー」「砂丘」がよさげ。

 ムーンライダーズの記念すべき1stアルバム。
 初期ムーンライダーズはよく無国籍的と言われていますが、ここではフレンチポップやブリティッシュ・ロックのようなヨーロッパ的な音楽性が展開されている印象。めちゃめちゃオシャレ。当時の歌謡曲的な下世話さが微塵もなく、流麗なメロディと洒落ていて洗練されたアレンジは流石の一言です。バイオリンがメンバーに居るという特殊な構成の良さが最初からよく出てます。
 全体的に鈴木慶一ムーンライダース名義での前作「火の玉ボーイ」を引き継いだ、良質なポップスが並んでいるんですが、最後「砂丘」だけはその後バンドがひねくれていく紆余曲折を暗示しているような気がします。ピアノにバイオリン、アコーディオンといった楽器の美しい演奏の上で、ひばり児童合唱団との掛け合いで歌われる曲。「僕はいつも砂を握りしめて倒れている」とは……。

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 この曲に関しては良くも悪くも70年代だなーと思う。


09/10

Istanbul mambo / ムーンライダーズ

 邦楽。1977年/2015年再発。
ジェラシー」「Beep Beep Be オーライ」がよさげ。

 ムーンライダーズの2ndアルバム。
 初期ムーンライダーズが無国籍的と言われるのはこのアルバムの印象が強い気がする。「ジェラシー」は前作を引き継いでAORっぽかったりするんですが、次の「週末の恋人」の中近東的なイントロから既に前作と何かが違うな?と思わされます。
 本領発揮されるのが「Beep Beep Be オーライ」で始まるB面からで、そこから前作とは明らかに違うエキゾチックで怪しげなメロディの曲が並びます。「ウスクダラ」はトルコ民謡で「イスタンブール・マンボ」はタイトル通りマンボアレンジのカバー曲。
「MODERN MUSIC」以前のムーンライダーズでは一番とっつきにくいアルバムかなぁと思う。このアルバムでやったような音楽性が再び表出し始めるのはこのアルバムから20年後の「ムーンライダーズの夜」からだと思うので、後期への礎として重要な作品ではあるもののディスコグラフィでちょっと浮いてる感じはしますね。

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 サビの展開が流麗で好き。


09/14

NOUVELLES VAGUES / ムーンライダーズ

 邦楽。1978年/2015年再発。
スイマー」「ドッグ・ソング」「アニメーション・ヒーロー」「マイ・ネーム・イズ・ジャック」「スタジオ・ミュージシャン」「いとこ同士」がよさげ。

 ムーンライダーズの3rdアルバム。
 冒頭「スイマー」がのっけから名曲です。ヴァイオリンとギターのユニゾンによるリフを核にする、スリリングかつ不穏さを感じさせる楽曲。上下を繰り返すサビのコード進行や、ラスサビ以降のひたすら下降していくコード進行による、スタイリッシュさと不安定な危うさが同居した雰囲気が最高です。
 その他も可愛らしいアレンジと歌詞のカバー曲「マイ・ネーム・イズ・ジャック」、美しいバラード「スタジオ・ミュージシャン」などメロディアスな曲が多く並んでいる印象。特に「スタジオ・ミュージシャン」はムーンライダーズらしからぬ、めちゃくちゃ真っ当に美しく洗練されたメロディのバラードなので驚く。
 全体的に初期ムーンライダーズのアルバムでは最もメロディアスでニューミュージック的なアルバムだと思うんですが、B面冒頭「いとこ同士」だけ急にテクノポップなのが面白い。バックトラックは松武秀樹さんによる打ち込み+細野さんのスティールパン(なんで……?)のみという当時はかなり挑戦的だったであろう楽曲。しかしアレンジ抜きにして聴くと、このアルバム以降のようなニューウェーブ的な解体されたメロディではなくまだまだニューミュージック的なメロディというのが興味深いです。「スイマー」に通じるハードボイルドでヨーロッパ的な雰囲気のあるメロディで、バンドアレンジでも格好良くなりそうな気がする。
 しかしこの後のアルバムが「MODERN MUSIC」という事実を踏まえるとまさにここが分水嶺ですね。音楽性もメロディの質感もこれ以前と以降がとても同じバンドとは思えない。

youtu.be

 2020年の「スイマー」のライブ映像。5:17から。発表当時とは別の緊張感があって良い。


09/15

SINGS MOONRIDERS / 鈴木博文

 邦楽。1996年。
いとこ同士」「インテリア」「霧の10㎡」「くれない埠頭」「工場と微笑」がよさげ。

 ムーンライダーズのメンバー、鈴木博文さんによるムーンライダーズ楽曲のセルフカバーアルバム。
 個人的に鈴木博文さんが書いている曲には好きな曲が多いんですよね。「工場と微笑」「無防備都市」「30(30 AGE)」「霧の10㎡」などなど。なのでセルフカバーアルバムがあると知ってめっちゃテンション上がりました。
 全体的に力の抜けた宅録的なアレンジなのも好み。アコギとかドラムとかハーモニカとか楽器の音がめっちゃ粒立っていて良い……。
 特に「霧の10㎡」のカバーが一番好きですね。クランチギター+アコギによる弾き語り。カッティングのリズムが心地いい。曲自体も隠れた名曲だと思っていたのでここでピックアップされていて嬉しかったです。

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 ジャンルは全然違うんですけど、イントロのジャキジャキ感はNUMBER GIRLのSENTIMENTAL GIRL'S VIOLENT JOKE (4TRACK ACOUSTIC)を思い出したりする。


09/16

workshop / OGRE YOU ASSHOLE

 邦楽。ライブ盤。2015年。
ムダがないって素晴らしい(LIVE)」「フェンスのある家(LIVE)」「夜の船(LIVE)」「フラッグ(LIVE)」がよさげ。

 ライブ盤だと思ってノータッチだったんですがこれはただのライブ盤じゃないですね。というかこのアルバムはほぼスタジオライブらしい。
「homely」以降のアルバムってどれもゴリゴリにポストプロダクションやってて、バンドならではの生き生きとした感じとか感情みたいなものが意図的に全部取っ払われてると思うんですが、ここでは躍動感のあるまさにライブ感ある演奏でもって楽曲を生かしていて、スタジオ版とはかなり印象を異にしています。
 カッティングがファンキーな「ムダがないって素晴らしい」、ロックバンドって本来こういうものだよなって感じで昨今のOGRE YOU ASSHOLEのスタジオアルバムからはすっかり消失しているテンションとかエモーションとかが溢れている「フラッグ」がとても格好いい。
 そして「夜の船」はやっぱり名曲だと思います。

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 シティポップ感すらある。


09/18

гипноза (Gipnoza) / 核P-MODEL

 邦楽。2013年。
гипноза (Gipnoza)」「それ行け!Halycon」「Parallel Kozak」「Timelineの東」がよさげ。

 核P-MODELの2nd。平沢ソロと比べてやっぱりポップで元気だなあという印象。音の詰め込み方が違う。これ聴いてやっぱ自分はソロよりP-MODELの方が好きだなーと思いました。

アーカイブ 2003-2008 / LAB.THE BASEMENT

 邦楽。2008年/2015年再発。
DUB NOTE 2008」「パイドパイパー」「サイレンの町」「コインロッカーベジタリアン」「狂い蝉が叫んだ朝に」「だけど朝日は今日も咲き誇る」がよさげ。

 cali≠gariの桜井青さんがやっているバンドのレア音源集。V.A.に入っていた曲とかDVDだけで出てた曲とか新録とか。「サイレンの町」を聴いてからずっと欲しいと思ってたんですがやっと手に入れました。
 LAB.THE BASEMENTのアルバム自体は初めて聴いたんですがめちゃめちゃ良いですね。特に「サイレンの町」「だけど朝日は今日も咲き誇る」は青さんの曲の中でもトップクラスに名曲だと思う。
サイレンの町」はサビでコード進行の切り替わりが長くなるのと、ラスサビ前の「返事の代わりに僕の手をギュって握ってくれた。」の叫びがエモい。
だけど朝日は今日も咲き誇る」は長い間奏を経てのラスサビでコード進行が変わるのがめっちゃ好き。
 どちらも青さんの特色の一つである、ノスタルジックなメロディが色濃く出た楽曲ですね。こういう曲って最近のカリガリでは鳴りを潜めてしまった気がする。
パイドパイパー」もカリガリでは聴いたことのないタイプの組曲的な楽曲で面白いですね。こういう、イントロの雰囲気から展開が二転三転して最終的にイントロに戻ってくるという構成の曲好き。
 というか青さんのボーカル好きなんですよね。石井さんに比べると技術では劣るかもしれないですけど声質が好き。不安定で舌足らず、かつヴィジュアル系的な飾った感じがしない実直な感じが好きです。
 他のアルバムも集めたい。


09/23

Hey What / Low

 洋楽。2021年。
White Horses」「I Can Wait」「More」がよさげ。

White Horses」を聴いてただごとではないと思って聴いたシリーズ。
 前作「Double Negative」はかなりアンビエントに寄った作風で、ボーカルすら音の波の中に埋もれていた印象だったんですが、今作はボーカルがかなり前面に出てますね。ゴスペル感すら感じる。

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 前作からのLowのMVは全部かっこいいと思う。

Hypnic Jerks / Spirit of the Beehive

 洋楽。2018年。
Nail I Couldn't Bite」「Fell Asleep With A Vision」「(Without You) In My Pocket」「Hypnic Jerks」がよさげ。

 まったりひねくれインディーロックという印象。

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 1分半という潔さが最高。

昔聴いたアルバムを再聴する

⚪:ふつう
🔴:なんかよさげだ
🔴🔴:あれもしかしてこれ良い曲じゃない?
🔵:これは昔から好き
🔵🔵:これはずっと大好き


09/12

confidential / OGRE YOU ASSHOLE

01. 真ん中で (from 浮かれている人 twilight edition EP) 🔵
02. また明日 (alternate version) 🔴🔴
03. DOPE (from dope EP) ⚪
04. フェンスのある家 (from dope EP) ⚪
05. バックシート (alternate version) 🔴
06. フラッグ (alternate version) 🔴
07. 素敵な予感 (alternate version) 🔵🔵
08. バランス (from 浮かれている人 twilight edition EP) 🔵


09/23

RADIO BURNIN' / ROUND TABLE

01. Come On! Come On!
02. Every Every Every [radio radio radio mix] 🔴🔴
03. Goin' To The Radio Show ⚪
04. -Radio Time #1- ⚪
05. Hello! It's You ⚪
06. No No-Yeah Yeah ⚪
07. Baby Baby ⚪
08. Radio Is Burning ⚪
09. -Radio Time #2- ⚪
10. Everyday 🔴
11. Across The Highway 🔴
12. 1, 2, 3 for Jump 🔵🔵
13. No Reaction ⚪
14. You Are No.1 ⚪
15. Good Night Rosie ⚪
16. Come On! Come On! (Reprise) ⚪

アルバム初聴メモ 2021年8月編

※個人の主観的感想です。怒らないでください。
※通しで一度聴いた時点でのメモ書き程度です。


08/09

House set of "Legacy of Lunatic Kingdom"+ 〜 Lunatic set and Mythic set

 東方アレンジ。2016年。
Lunatic set 00 〜 宇宙巫女現る」「Lunatic set 02 〜 兎は舞い降りた」「Lunatic set 04 〜 九月のパンプキン」「Lunatic set 06 〜 永遠の春夢」「永遠の春夢(ginkiha Remix)」「凍り付いた永遠の都(平茸 Remix)」「逆転するホイールオブフォーチュン(ag Remix)」「Shinkirou set 〜 幻想郷の二ッ岩」がよさげ。

 東方ハウスアレンジを集めたアルバムで、17曲がRinさんによる紺珠伝全曲アレンジ、9曲が他サークルのアレンジャーによる紺珠伝アレンジ、5曲がRinさんによる心綺楼&深秘録アレンジという構成。
 どれもオシャレで聴いてて気持ちいいハウスアレンジという印象。特に「Lunatic set 02 〜 兎は舞い降りた」が最高ですね。不気味な雰囲気のイントロを抜けたAメロで高らかに鳴らされるホーンのメインメロディがめっちゃかっこよくて気持ちいい。兎は舞い降りたって原曲そんなに印象に残ってなかったけどこんな良い曲だったのか……。他アレンジャーによるものでは「永遠の春夢(ginkiha Remix)」「凍り付いた永遠の都(平茸 Remix)」「逆転するホイールオブフォーチュン(ag Remix)」がオシャレで好きです。

ch.nicovideo.jp

こちらでフリーDLできます。


08/11

クローゼット / minimum electric design

 邦楽。2014年。
probably not」「Walk Today」がよさげ。

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序章 / VERONICA

 邦楽。2012年。
悪魔のうたた寝」がよさげ。


08/13

Steve Reich: Electric Counterpoint / Mats Bergström

 洋楽。2012年。
Electric Counterpoint: III. Fast」「Godspeed Remix (Nagoya Guitars remix)」がよさげ。

 スティーヴ・ライヒの「Electric Counterpoint」という曲をMats Bergströmという方が演奏したアルバム。他に「2×5」という曲の演奏や各種リミックスも収められてます。
 というわけで、初めてちゃんと現代音楽なるものを聴いたわけなんですが、いい意味で現代音楽に対する先入観を壊されたというかむしろ自分としてはこれはエレクトロニカとして聴いちゃっていいのではないかと思ったりしています。無論ミニマルミュージックがエレクトロニカに与えた影響だとか何をもって現代音楽であるとかないとかそういう話があると思うんですが、そういうのよくわからん身としてもまずは自分の理解できるフィールドに置いて解釈しちゃっていい気がする。わからんけど。
 というわけで「Electric Counterpoint」は何回もオーバーダビングされたギターが織り成すミニマルミュージック。少しずつ音数が減っていったり増えていったり、それが基本同じコードを繰り返しながら時々コードが変わるという感じなんですが、そのコードが変わる瞬間がめっちゃ気持ちいい。ミニマルミュージックの良さってそういうところだよなと思う。特に「Electric Counterpoint: III. Fast」はこれ完全にポピュラーミュージックとして聴けますね。ギターリフがあってバッキングのアコギが居てベース(的なギター)が居る。ひたすら同じコード進行を繰り返していたのが変わる瞬間のカタルシス、本当に素晴らしい。ドラム居ないのに疾走感すら感じる。加えてこのアルバム、全ての音がいい。アコギの瑞々しい音が最高です。
Electric Counterpoint」は演奏時間が短いのも聴きやすくていいと思います。現代音楽って30分以上ザラにあるというイメージなんですが、これは3つの楽章合わせても15分程度。さらに1つの楽章は最長でも7分なのでこれもポピュラーミュージックの範疇内と言える。
2×5」はギターに更にピアノとドラムが加わった構成のこれも比較的聴きやすい楽曲。これはマスロックとして聴けるんじゃなかろうか。なんならメロディっぽいのもあるし、起伏もある。キッチリ譜面が決められているが故の緊張感がカッコいい。少しずつ構築されていくような、正しくミニマルなピアノが美しいです。

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 第三楽章だけ貼るのは邪道なのかもしれない。

Different Trains / Electric Counterpoint / Steve Reich

 洋楽。1990年。
Different Trains: After the War」がよさげ。

 これもスティーヴ・ライヒの「Different Trains」と「Electric Counterpoint」を演奏したアルバム。多分両方ともこのアルバムが初出。
Different Trains」は弦楽四重奏とテープによる汽車のSEとか語りとかが並走するミニマルミュージック。これはぶっちゃけあまりポップではないです。コンセプトがポップではないので当然かもしれませんが(詳しくはWikipediaとかを読んでください)。第三楽章「Different Trains: After the War」が割と展開があって比較的聴きやすいです(ミニマルミュージックの評価としていいのだろうか)。2分~のコード進行が切なげで好き。
Electric Counterpoint」はパット・メセニーによる演奏。個人的には先に聴いたMats Bergströmの方が好きかなあという感想。

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Radio Rewrite / Steve Reich

 洋楽。2014年。
Radio Rewrite: I. Fast」がよさげ。

 これは「Electric Counterpoint」とそのピアノ版「Piano Counterpoint」、そして新作(多分)「Radio Rewrite」の演奏を収録。
 ここでの「Electric Counterpoint」はなんとレディへのジョニー・グリーンウッドによるものです。演奏は前に聴いた2人よりもだいぶギターの音がクランチ寄りでロックっぽい。
Piano Counterpoint」は「Electric Counterpoint」のポップさに反してだいぶミニマルミュージックです。これはコード進行というものがないのでまあまあしんどい……。
 そして「Radio Rewrite」ですがレディへの「Everything in Its Right Place」と「Jigsaw Falling into Place」を元に作曲されたもののようです。全く面影がない……。まあ確かにKid A以降のレディへを感じないことはないけど、因果関係が逆(レディへがミニマルミュージックの影響下にある)なので当然。


08/29

極東アウトレイジ / 極東指定雑音団

 東方アレンジ。2014年。
漂泊 / 天狗ノ舞」「我欲疾走 / 鉄腕トカゲ探知機」「あやつり / 少年ヴィヴィッド」「黒巻紙 / ねじりき」がよさげ。

 東方バンドアレンジコンピ。天狗ノ舞も鉄腕トカゲ探知機も少年ヴィヴィッドもこの時点で貫禄ある安定感だなあと思う。ねじりきは知らなかったんですけど繊細な女性ボーカルとしっとりしたバンドアレンジという印象で好きです。それにしてもデザイアドライブは名曲だなあと「我欲疾走」を聴いて思う。

夕暮電車 / サラブレンド

 邦楽。2004年。
キミマチ」がよさげ。

アルバム初聴メモ 2021年7月編

※個人の主観的感想です。
※通しで一度聴いた時点でのメモ書き程度です。


07/03

ODIN / レオタードブタとヤギ・ハイレグ

 邦楽。2020年。
サイコショッカー!」がよさげ。

RE DISTORTION / ハヌマーン

 邦楽。2010年。
幸福のしっぽ」がよさげ。

(初期)バズマザーズに近しくなってきた印象。


07/04

Broken Social Scene / Broken Social Scene

 洋楽。2005年。
Ibi Dreams of Pavement (A Better Day)」「7/4 Shoreline」「Fire Eye'd Boy」「Canada Vs. America」がよさげ。

Ibi Dreams of Pavement (A Better Day)」ホーン隊による壮大な盛り上がり方と高らかで祝祭的なメロディが印象的。
7/4 Shoreline」曲名通り7/4拍子で疾走する曲。
Fire Eye'd Boyパワーコードによるリフがかっこいい曲。オクターブ違いのユニゾンとか途中から四つ打ちになるのがいいですね。
Canada Vs. America」気だるいボーカルが同じメロディを延々と繰り返しつつ盛り上がっていく曲。しかしすごい曲名だ……。

 音がめっちゃいい。こういう音好き。

Deserter's Songs / Mercury Rev

 洋楽。1998年。
Opus 40」「Pick Up If You're There」がよさげ。


07/11

シンデレラガール / MN-logic24

 東方アレンジ。2010年。
Candle Light」「霜降る野、夜を(練)歩く」がよさげ。

Candle Light」(当時)エコプロの平茸さんによるアレンジ。透明感のあるドラムンベース
霜降る野、夜を(練)歩く」(当時)エコプロのManoさんによるアレンジ。三拍子の雄大感ある曲。サビのコーラスワークが好きです。サビ終わりにくっついてるメロディも好き。

YoruMiku / V.A.

 ボカロ。2010年。
静かな夜の街灯街のはずれ / 右近」がよさげ。


07/16

Emergency & I / The Dismemberment Plan

 洋楽。1999年。
A Life of Possibilities」「What Do You Want Me to Say?」「You Are Invited」「Gyroscope」「The City」「8 1/2 Minutes」がよさげ。

 多分エモロックのカテゴリなんですけどメロディが素っ頓狂だったり妙な変拍子が入ってきたり唐突に異様な転調したりしてひねくれてる感じ。いかにもローファイなメロから急にサビでエモい感じになる「What Do You Want Me to Say?」とか象徴的ではないでしょうか。

FOOLS e.p. / EL-MALO

 邦楽。1995年。
FOOLS」がよさげ。

FOOLS」いかにも元ネタありそうだなーって感じの渋谷系っぽいオシャレで気だるいソウルな曲。

THE PERFECT DAY E.P. / カジヒデキ

 邦楽。2020年。
A Perfect Day for Earl Grey / アールグレイ日和」がよさげ。


07/17

SPACE DRIVER / VENUS PETER

 邦楽。1992年。
Slip Into The Stream」がよさげ。

Heartbeat / VENUS PETER

 邦楽。2019年。
Heartbeat」がよさげ。

Heartbeat」めっちゃ好きです。今時かなり珍しいギターポップの王道を踏襲した曲で、コーラスギターのアルペジオの感じとかBメロで転調したりとか間奏で入るキメとかすごいあるあるって感じなんですが全てがストライクで胸を打つ。


07/22

Loveless Love / 曽我部恵一

 邦楽。2020年。
Yeah Yeah」「冬のドライブ」「どっか」「永久ミント機関」「ブルーハワイ」「ダンス」「戦争反対音頭」「天国の南」がよさげ。

ヘブン / 曽我部恵一

 邦楽。2018年。
文学」「フランシス・ベーコンエッグ」「野行性」「mixed night」「花の世紀」がよさげ。


07/24

more humor / パスピエ

 邦楽。2019年。
グラフィティー」「ONE」「始まりはいつも」がよさげ。

グラフィティー」をYouTubeで聴いてこれはただごとではないと思ったので聴きました。

synonym / パスピエ

 邦楽。2020年。
まだら」「Q.」「SYNTHESIZE」「真昼の夜」「つむぎ」がよさげ。


07/26

幻想邂逅憧憬夜行 / V.A.(天狗の舞)

 東方アレンジ。2010年。
幻月の道 / LSD」がよさげ。


07/27

Pop Rock Lolli Poppinng / Xenoglossy

 東方アレンジ。2018年。
お嬢様はいつだってカンペキ!」「Lovely sparkling」「Delicious autumn girl」「Necro funk the around」「恋するおてんば娘のそれからのお話」がよさげ。


07/30

ミッドナイト・ピアニスト / 近田春夫&ビブラトーンズ

 邦楽。1981年。
Soul Life」「ソファーベッド・ブルース」「昼下がりの微熱」がよさげ。

ピーナッツくん「Tele倶楽部」全曲感想

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 VTuber、ピーナッツくんの2ndアルバム。2021年リリース。

1. 笑うぴーなっつくん

 ピーナッツくんというキャラクターをメタ的に俯瞰しつつ、このアルバムでのスタンスを表明するリリック。初っ端から毒をカマしてくるのが前作「False Memory Syndrome」とは異なるこのアルバムのモードを感じさせます。
 マシンガン的に繰り出される「日々意味ないことで満たす feeling から生まれてる新たなクラシック」などのフレーズにピーナッツくんの表現者としての矜持を感じさせて非常にカッコいい。
 自己言及的な楽曲という意味で「ピーナッツくんのおまじない」と同じ類の曲ですが、段違いに増した攻撃性によりこの怨念と欲望渦巻くダークなアルバムの幕開きに相応しい楽曲となっています。

だって運動会とオリンピックは違うだろ?
君がいっとうしょうでぼくがビリでもそれは同じレースじゃないんだよ

 マイノリティの牙が光るリリックで最高にクール。

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2. School Boy (feat. もちひよこ)

 前曲の銃声から間髪入れずこの曲のイントロが流れてくるのがまずカッコいい。
 この曲は客演で参加しているもちひよこさんのVTuberとしてのキャラクターも加味してのことか、メルヘンチックな音色と重たいビートという相反する要素が絡むミュージカル的な曲になっています。
「教師と生徒」というメタファーで恋愛の駆け引きを歌っている歌詞ですが、なんとなくピーナッツくんの創作スタイルとして確実に存在しているであろう反骨心を表現しているようにも見えるのが面白いところです。あるいはインタビューの言葉から考えると、本当に人生の先達という意味での「教師」をもちひよこさんは演じているのかもしれません。
このアルバムを貫いている『恋愛』と『VTuber』という2軸の概念を象徴するような楽曲だと思います。

どことって見て正しいこと
ひとつもないね

 ここすき。多分みんな好き。

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3. 風呂フェッショナル (feat. Yaca)

 間違いなくアルバム中最も平和な曲。この曲以外ほぼ全曲シリアスな雰囲気なので、これが無かったらかなり重たいアルバムになってしまっていたような気がします。
「サウナだと好きな人も限られてるかもしれないから風呂をテーマにした」という談ですが(もっと攻めて全編サウナについて語った曲も聴いてみたい)、重すぎないビートに乗ってふわふわした音色が包み込んでくる、のほほんとしたピースフルな雰囲気がまさにテーマに相応しい心地良さです。
 Yacaさんのリラックスした語り口でのフロウも気持ちいい。ラストの掛け合いも(アルバム中では唯一と言っていいほど)「生身」のやり取りが感じられて和みます。

母の腹の中から裸だから
末端あったまったらまた彼方
数える那由多

 しかし何気に韻の踏み方がエグい。確実に踏んでいくという強かさがまたカッコいいです。

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4. My Wife (feat. KMNZ LIZ)

 段々この曲あたりから空気が狂い始めてくるといいますか、ピンク色になってきます。
俺の嫁」という現代日本では既に廃れていながら海外で「Mai Waifu」として未だに生きている概念を冠したこの曲は、誰がどう見てもVTuber←視聴者の一方的な恋というか性愛をぶつける歌。
 物理的に届かない距離に居る魅力的な異性に(メタ的に)思いを寄せる楽曲はかつて「RAINBOW GIRL」や数々のボカロ曲などがありますが、それらとは違って「実在」してるのがかなりタチ悪いです。
 ここまで弱者男性の欲望を代弁しつつ、LIZさんのヴァースでガッツリ脳破壊させてくるリリックを書ける兄ぽこは一体どんな世界を見ているのか……。煌めく音色で溢れたポップでキュートなトラックも相まって、楽曲に含有されている悪意で具合悪くなってくるレベル。
 特にLIZさんが歌うヴァース、これよく歌ってもらえたな……(しかも快諾)ってマジで思います。

楽しみたいならお金払って

 から始まる一連のフレーズはアルバムタイトルとも結びつく、VTuberの一側面を象徴する名リリックかと。

5. messed up! (feat. Marukido)

 女性ラッパーのMarukidoさん参加ということで、他の楽曲よりも更に硬派なヒップホップという趣の楽曲。
 現代日本を取り巻く混沌を象徴したリリックに不気味で蠱惑的なビートが光ります。
 特にMarukidoさん自らの手によるリリックは「人を不快にさせる表現のオンパレード」みたいなレベルですっごい。「風呂フェッショナル」とは別次元の「生身」感を生々しく露出させるこのヴァースを、過剰に理想化された偶像崇拝を行う曲である「My Wife」の後に並べるという狂気の曲順。

ナナナーナナナーペニバンジョイマーン
ナナナーナナナーペニバンジョイマン

 ペニバンジョイマンって何……?

6. zakkyobuilding (feat. チャンチョ)

 外部からのゲストを迎えた曲は一旦終わり、チャンチョのラップをフィーチャーした楽曲。これがまたカッコいい。
 前作では落ち着いたローテンポの楽曲に参加していたのでそこまでラップスキルが表出していませんでしたが、体温低めのローテンションでハスキーに繰り出すフロウがマシンガンのようでとてもクールです。最近更にイキってきたチャンチョのイメージにも合致する尖った印象の曲ですね。

Zakkyo ビル zakkyo ビル
エレベーターに乗って
また上に上がる
カッコいい

「エレベーター」の言い方が好き。
 雑居ビルのアングラ感と、そこで何かすごいことが行われているというエモさが詰まった曲だと思います。

7. skit

 短いスキット。まさにテレクラの通話を想起させるやりとりは大変いかがわしいし、ピーナッツくんの辿々しさにはこっちまで恥ずかしくなる。
「おしゃれになりたい!ピーナッツくん」というキャラクターはそもそも「まだ自覚していない(幼い)コンプレックス」が一つのコンセプトになっていると思ってるんですが、この曲もそういった5歳児的なコンプレックスが見て取れる作品ですねっていうのは多分深読みしすぎ

8. KISS (feat. おめがシスターズ)

 前曲のやり取りを引き継いで「いけないことをしたいよ」とこの曲に繋げるのがまたイカしてる。
 おめシス参加の曲。雰囲気はなんとなく80年代っぽいダサカッコ良さも感じるところです。
 おめシスを知っている身だとぶっちゃけ台詞にばかり耳が行くというかリオちゃんが頑張って素で(?)話してるのがまず面白いし、おめシスにまさかの歌でなく台詞を任せるのか……みたいなことを無限に考えてしまう。

もうわかったろう
ただ致したいの

 ラストのピーナッツくんの矢継早に繰り出すフロウとそれをおめシスが塞いで終わる展開が本当に痛々しくて切ない。
 このアルバムに入ってる恋愛の曲は、最後の一つを除いて全て一方的な思慕なんですよね。この曲も明らかに相手方は自分にそこまで魅力を感じていないであろう、というのが見て取れるのがとても悲しいし、凄まじい表現力だと思います。ラストの「愛より先に」の余韻が後を引く。

9. 未来NEXTメシ vs yanagamiyuki

 とても好きな一曲。
 バーチャルの先人である初音ミクとピーナッツくんの交互の掛け合いが耳に残る、途轍もなく中毒性高い曲。気づけば「ミート hope に転身 ye」って言ってしまう。間抜けなようにも不気味なようにも聴こえるメインフレーズと重いビートも耳にこびりつきます。

ぼくで飯を食うなんて
気持ち悪いよお前

やながみゆき人間やめ損なっちゃった?
今更なんだ?お前の動物性のタンパク

 まさかのご主人様/ボカロPをdisるというペルソナvs中身のラップバトルの様相を呈するリリックも衝撃的です。
 ミクさんのフロウも、人間のようにも聴こえるしシンセフレーズのようにも聴こえる、自然さと機械感が同居していてとてもカッコいい。

10. Peanuts in Wonderland

 オペラチックなコーラスに導かれて始まる、浮遊感溢れる不気味でサイケデリックな一曲。
「zakkyobuilding」に引き続きチャンチョが参加していますがやっぱり高速で詰め込んで繰り出されるフロウがかっこいい。
「ピーナッツくん」という物語について寓話的に書かれたリリックは全てが示唆的ですが、

1900 何年 から記憶
されたお前はお前じゃないわ

 からのフレーズは特に分かりやすく現実からの離脱を表しています。
 生身としての存在とキャラクターとしての存在、その2つの関係性は前作の「幽体離脱」で歌われているようにまさに夢現と同じようなもので、バーチャルの存在になるということはすなわちアリス・イン・ワンダーランド的なことなんでしょうね。

11. SuperChat

 これを聴いたぽんぽこさんが関西弁で激怒したという一曲。このアルバムで最も攻撃的な曲です。
 リリックの全フレーズが(自分を含む)全てのVTuberへのdisりで成り立っているという凄まじい楽曲。
 これをリリースしようとする度胸にまず称賛を贈りたいし、シーンを批評するという点で非常にヒップホップ的な意味でのリアルを体現していると思います。
 なんつっても曲が良いっていうのが強いですね。シャウトと歪んだ暴力的な音が鬼カッコいい。あと、キレていたぽんぽこさんですらつい口ずさんでしまうフックの中毒性。
「My Wife」にも通じる、より直接的な怨念が渦巻く楽曲ですが、これを聞いていると本当に兄ぽこは普段から一体どういう感情でVTuberシーンを眺めているのだろうかという気持ちになる。

誕生日でもないのに
記念配信で多額を見込めるぜ

 全文引用したい勢いですが、特にここすき。

12. ぼくは人気者

 前曲とのギャップで風邪引くくらい牧歌的な曲。
 ヤギ・ハイレグさんのトラックの雰囲気や仲間へのリスペクトを混ぜ込んだりするところも相まってホームでリラックスしている空気感が楽しい曲です。メイクマネーって感じでイキってるリリックも味わい深い。
 しかしそこに挟まるチャンチョの「ピーナッツくんなに言ってんの?」のコーラスがただでは終わらせないひねくれ感があって好き。

13. ペパーミントラブ (feat. 名取さな)

 このアルバムのハイライト。前曲のトラックがフェードアウトで終わり、煌めくシンセフレーズが入ってくるイントロでもうクライマックスなんだなと感じる。
 ピーナッツくんは個性立ったフックを曲ごとに作るのがとても上手いと思うんですが、この曲のフックはその中でも飛び抜けてキャッチー。そのキャッチーさはピーナッツくんが「ぽんぽこさんこのアルバムちゃんと聴きました?」と問うた時にぽんぽこさんが真っ先にこの曲のフックを歌い始めるほどです。
 キラキラした音色が折り重なる美しいトラックにピーナッツくんの熱の籠もったエモーショナルなフロウが乗っかるところから既にエモい。
 そして「当然ファーストだった」から始まる名取さなさんのボーカルが入る瞬間、ここに間違いなくアルバムの一番のカタルシスが設定されているように思う。そのピュアな歌声とリリックがこのアルバムに込められた悪意も怨念も欲望も全て浄化していくような感覚を覚える。
 まさに少年漫画的なピュアネスのあるリリックですが、トラックメイカーが同じであり雰囲気が似通っている「My Wife」や一方通行だった「KISS」とは異なり、双方向的な繋がりであるという事実に救いを感じます。

致し方ないことぼくしちゃった
のかも頬つねって感じる
あの日の予熱

 ここの「いぇい」好き。オクターブ違いで重なる名取さなさんのフロウがすごく可愛いししっかりラップしてて魅力的。

14. Unreal Life (feat. 市松寿ゞ謡)

 このアルバムを作る動力となったと言っても過言ではない「Unreal Engine」をタイトルに冠した最終曲。
 ピーナッツくんと市松寿ゞ謡さんの歌声、ヒステリックな音色のシンセ、生音のベース、あらゆる音が引力によって歪められたような音像はUnrealと呼ぶに相応しく、あまりにもカッコいい。
 そしてもはや小節を逸脱するピーナッツくんと市松寿ゞ謡さんのフロウがまさに異世界へと飛んでいくような壮絶な浮遊感を醸す。
「ペパーミントラブ」で浄化された空気でそのままどこへともなく飛んでいくような、アルバムの、そしてピーナッツくんの「次」を感じさせる楽曲です。

子供たちが眠りにつく頃
ピーナッツくんは無限の彼方へ行ってしまった
彼らは一体何を考えているのだろうか
綴る想いは泡沫の如く
されどこだまするのだあの鐘のように

まとめ

「恋愛」というモチーフを用いてVTuberシーンの今を描いた、素晴らしい作品だと思います。是非聴いてみてください。

 あとライブも大変エモかったです。

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 ぶっちゃけこの記事で書いてる話は全部ここに載ってるので、あわせて読んだ方がよいかと思います。
kai-you.net

アルバム初聴メモ 2021年6月編

※個人の主観的感想です。
※通しで一度聴いた時点でのメモ書き程度です。


06/05

駄々録~Dadalogue / No Lie-Sense

 邦楽。2020年。
Cs.佐平次」がよさげ。

 初めて聴きました。鈴木慶一さんとKERAさんのコンビということでサブカルの極致みたいな空気感、しかもあんまりオシャレなタイプのサブカルでもない。ニューウェーブとマンボとディスコとフォークと歌謡曲が入り混じってるような音楽性なのでマジで人を選びそう。
 言わば曽我部恵一ではなくKERAがプロデュースした「ヘイト船長回顧録」と言いますか。老いて益々病的になる慶一さんのドロドロとした世界観をKERAさんのブラックジョークと構成力でまとめたようなアルバムだと思います。


06/12

Earth Dies Lonely / Golem Who Goes Fish

 洋楽。2020年。
Identifiable and Unidentifiable Rabbit Tracks」「Eating Is a Chore」がよさげ。

Identifiable and Unidentifiable Rabbit Tracks」エレピとオルガンが寂しげな一曲。盛り上がっていきそうなところでフェードアウトするのでおあずけ感がすごい。

Eating Is a Chore」ひたすら下降していくコード進行とだらっとしたボーカルが切ない侘しさを醸す曲。


06/20

Tele倶楽部 / ピーナッツくん

 邦楽。2021年。
 ここで全曲感想を書きました。
killerd.hatenablog.com