All you need is black earphone (?)

あたまのわるい音楽ブログ

好きなアーティストのあんまり聴いてない曲を聴き返して好みな曲を発掘しようの試み(または十年間の総括)

序文(読み飛ばしてOK)

 こんにちは、蝉暮せせせです。
 このブログも今年で十周年となりまして、つまりは十年間音楽を聴いてるわけなんですが、長らく音楽を聴いていると一回聴いてそれきりになる曲とかもそれなりにあるわけです。
 一枚のアルバムを聴き込むのも相当好みの作品でないと時間的に難しくなってきたりもしてまして仕方がないことなんですが、やっぱり一回聴いてもうそれっきり、一生聴かないなんて音楽の聴き方としてどうなんだろうと思ったりするんですね。この世は音楽に溢れていて、矢継早に聴いていかねば追いつかないとしてもそれは刹那的な消費ではなかろうかと。

 というわけで、好きな/好きだったアーティストのあんまり聴いてない曲を改めて聴き返してみようと思い立って、ここ半年は昔聴いた音楽をずっと聴き返していました。
 あんまり聴いてない曲を聴き返すことで、あまり目を向けてなかったけど好みだった曲とか以前は良さが分からなかったりしたけど分かるようになった曲を発見したのは勿論、昔好きだったアーティストやアルバムにまた目を向けるきっかけとなり、なかなか実のある試みだったのではないかと思います。

 てなわけで聴き返していいなーと思った曲でSpotifyプレイリスト作ったのでそれを貼ります。

具体的に何やったの?

0. 普段foobar2000で音楽を聴いてLast.fmで再生回数を記録している
1. foobar2000のライブラリにある全ての楽曲の再生回数をLast.fmより取得
- 「foo_scrobble」を使うと便利です
- たまにLast.fmで記録できない楽曲があるので自前でも再生回数を記録してます(「foo_playback_custom」)
2. ライブラリにある全てのアルバムのうち、「再生回数1以下の楽曲」と「再生回数10以上の楽曲」がそれぞれあるアルバムを抽出
- 再生回数10以上の曲は全体の17%なので10回超えていれば好き判定だろうと判断
3. 2. から再生回数1以下の楽曲を抽出
4. 3. をシャッフル再生で全部聴く

プレイリスト

 つらつらと各曲に対する所感を書いていきます。収録アルバム・曲タイトルはSpotifyと一部異なるものもありますが持ってるやつのデータに準拠しています。

1. Bend Over Beethoven / !!! (「Myth Takes」収録)

 完全に最近良さが分かった系の曲ですね。「Myth Takes」は5年くらい前に聴いてたんですけど当時は「All My Heroes Are Weirdos」ばっかり聴いてました。最近「Must Be The Moon」の良さに気づきまして、そこから「Louden Up Now」聴いたりしたので!!!はこの試みをやろうと思ったきっかけの一因のバンドでもありますね。

2. Slowmotion / APOGEE (「夢幻タワー」収録)

 なんで今までこの曲をすっ飛ばしてたのかが分からない。「夢幻タワー」は超絶昔に聴きましたがずっとMV付きの曲ばっかり聴いてました。久々に「1,2,3」聴いたけどこれもやはり名曲だと思う。
 これガチ名曲じゃん!って思って最近の動向調べたらライブベスト出てたのも知れたのでよかった。

3. サッドマシーン / ART-SCHOOL (「Requiem for Innocence」収録)

(スタジオ版がSpotifyに無いのでライブ版を入れてます)
 イントロのコーラス掛かったギターが好き。
 特に「Requiem for Innocence」って聴き込まないと理解できないアルバムだと思う。今回聴いてやっと曲と曲名が一致したのでよかった。ババスワイナーがアイリス、ちい覚えた。

4. Winner and Loser / 勝者と敗者 / ASIAN KUNG-FU GENERATION (「Wonder Future」収録)

 「Wonder Future」は個人的に卸し難いアルバムでして、ちょっとここで離れてしまった感じはありますね。掴みどころが分からなかったというか、ジャケットも真っ白だし……。
 今回聴き返してみて、内容的には原点回帰というかUSパワーポップの影響への回帰の色が強いのかなと思いました。タイトルも英題併記だし。そう考えるとこれってシリアスな「サーフ・ブンガク・カマクラ」では?と思わなくもない。「ランドマーク」の方が数倍分かりづらいアルバムのはずなのにあっちの方が好きなのは嗜好の問題でしょうか。「踵で愛を打ち鳴らせ」、名曲……。
 曲の話全然してなかった。直線的なパワーポップなんですが、サビで拍子が変わってちょっと捻りが効くのが好みです。

5. ウダガワフライデー feat. COPTER4016882 / capsule (「CUTIE CINEMA REPLAY」収録)

「CUTIE CINEMA REPLAY」は「プラスチックガール」と「music controller (piconova-mix)」という二大名曲が入っているので名盤。と思ってて、他の曲あまり聴いてなかったんですが改めて聴いてこの曲も好きになりました。アルバムの締めに置かれてるんですが、まったりした日常がずっと続いていくような空気感があるのが良いですね。あと、サビの後半で転調するのこの頃の中田ヤスタカさんの十八番だなーって思う。

6. outdoors / cero (「WORLD RECORD」収録)

 これも今聴くことで良さが分かった系ですね。物悲しいメロディに郷愁を唆られる。
「WORLD RECORD」は多分「Obscure Ride」出る前あたりに聴いた気がするんですけど、当時は「exotic penguin night」と「大停電の夜に」しか聴いてなかったし今も完全に理解できるとは言い難い。幅広いジャンルの曲が入っていて、「My Lost City」以降に比べて良くも悪くも統一感が無く整理されていない感がある気はする。

7. ヒエログリフと遊ぶ / chouchou merged syrups. (「since」収録)

 ポストロックの範疇に入ると思うんですが、ポストハードコアっぽい勢いで押し切る感が若干あるのが好きです。
 chouchou merged syrups.はこれが入っているアルバムしか聴いたことがないんですが、「白い呼吸」がめちゃめちゃ好きですね。

8. レイズ・ユア・ハンド・トゥゲザー / CORNELIUS (「THE FIRST QUESTION AWARD」収録)

 今回聴き返して楽しかったものの一つはこのアルバム収録曲ですね。以前だったら「ラヴ・パレード」の元ネタが「Love So Fine」なのも分からなかっただろうし。

9. 人生リセットボタン / KEMU VOXX (「PANDORA VOXX complete」収録)

 世代です。
 再発見というよりは当時から好きな曲だったんですけども、改めて聴き返しても良い曲ですね。でも真っ当に好きって言えるようになったのはここ数年です。カゲプロもそう。
 音楽性を取ってみるとかなりガッツリメタルしてる曲だと思うんですけど、不思議とあんまり重くなく、さらっと流れてくのはチップチューン的なシンセと軽い打ち込みドラムと、あとなんといってもGUMIの淡白でざらついた歌声の賜物だと思います。これでハードコア系だったり歌い上げる系の女声ボーカルだったりしたら好きにならなかったと思う。

10. cqd / lical (「言ノ花束、水葬と回生」収録)

 lical、無期限活動休止してたんですね……。この「cqd」という曲が入っている「言ノ花束、水葬と回生」というアルバムはとても好きなアルバムです。ポストロック+四つ打ちという感じで10年代後半らしいバンドなんですけどメロディがどの曲も最高。この曲もサビがめっちゃ良かった。

11. Tell Your World / livetune (「Re:Dial」収録)

 livetune、大好きだったし今でも「Re:package」はずっと聴いてるんですけど聴き返して「Tell Your World」ってこんな良い曲だったっけ??って思いました。アンセムってこういう曲のことを言うんだなって……。

12. With a Billion Worldful of <3 feat. DÉ DÉ MOUSE / Mili (「Millennium Mother」収録)

 Miliの管弦楽的な側面と(多分)DÉ DÉ MOUSEによるEDM要素が合わさったと思しき曲。なにげに滅茶苦茶な曲だ……。ドロップ後に挟まるボーカルチョップのセクションがめっちゃ好きです。

13. アナタMAGIC / monobright (「monobright two」収録)

 多分monobright(→モノブライト)の代表曲といえばこれになるんだろうと思う。多分に漏れず銀魂OPでmonobrightを知ったので個人的にも思い入れがある曲。
 でもちゃんと聴いたのは初めてでして、というのも僕はmonobrightの1stがめっちゃ好きで2ndはなんとなくあまり聴いてなかったんですよね(名曲「music wonder」除いて)。改めて聴くとやっぱり良い曲だった。サビの求心力がすごいんですよね。メロディの勝利だと思う。

14. GET AWAY / NONA REEVES (「DAYDREAM PARK」収録)

 サビめっちゃ好き。これはでもしっかりサビまで聴かないと良さ分かんない系の曲だな……。あとアルバム中の配置あんまり良くない気がする、長尺セッション曲な「DAYDREAM PARK」(曲)の後だし……。
 これが入ってる「DAYDREAM PARK」ってアルバムは個人的にノーナで一番好きです。

15. Cast No Shadow / Oasis (「(What's the Story) Morning Glory?」収録)

 Oasisは「(What's the Story) Morning Glory?」しか聴いたことないです。それもほとんど「Shampagne Supernova」と「Don't Look Back in Anger」しか聴いてなかったんですが、この曲も名曲ですね。「Wonderwall」とかも入ってるしほんと名盤なんだなーと思う。

16. バックシート (Alternate Version) / OGRE YOU ASSHOLE (「confidential」収録)

 イントロのギターからもう好き。「confidential」はもう完全に「素敵な予感 (Alternate Version)」にインパクト持ってかれるアルバムなので他の曲ほとんどノータッチだった……。
 この頃(というか「100年後」と「confidential」)のリバーブが深くて憂いに満ちた音像が好きなんですよね。切ない気持ちになる。

17. Baby cruising Love / Perfume (「GAME」収録)

「GAME」も多分ちゃんと聴かないと分かんないアルバムで、ちゃんと聴いてなかったので「マカロニ」ばっかり聴いてました。「マカロニ」は名曲だと思います。
 この曲はBメロの転調がらしいなと思う。

18. Twinkle Snow Powdery Snow / Perfume (「GAME」収録)

 Perfumeの曲は「GAME」以降どんどん音がバッキバキになっていくわけですが、この曲は時系列的にはComplete Bestに近いので音がそんなに重くないというか、音にもメロディにも可愛げがある印象。サビメロも真っ当にアイドルポップな感じ。「FRUITS CLiPPER」あたりのcapsuleと地続きなこういう音とメロディが一番好きだったりします。

19. Bloods on Fire / Pinback (「Summer In Abaddon」収録)

 Pinbackはなんといっても「Summer In Abaddon」の「Non Photo-Blue」が一抜けて好きで、他の曲は完全ノータッチとはいかないまでもあんまり聴いてなかったんですが今回聴き返して「Bloods on Fire」も良いなあと思いました。サビ終わりで音抜くのが好き。

20. 億万笑者 / RADWIMPS (「絶体絶命」収録)

 結局こういう直線的なロックが好きってことですよね。Bメロの小節余る感じが好きです。

21. Every Every Every [radio radio radio mix] / ROUND TABLE (「RADIO BURNIN’」収録)

 これが入ってるアルバム(「RADIO BURNIN’」)は「1, 2, 3 for Jump」ばっかり聴いてたんですが、今回聴き返してみてなんで僕はこれを見落としてたんだ!?ってなりました。
 めっちゃオシャレでキュートな良い曲ですね。ROUND TABLEの曲で一番好きかもしれない。

22. オオカミ少年独白 feat. Cana(Sotte Bosse) / sasakure.UK (「幻実アイソーポス」収録)

23. バタフライ・エフェクト feat. ちょうちょ / sasakure.UK (「幻実アイソーポス」収録)

 これらが入ってる「幻実アイソーポス」というアルバムは個人的にかなり複雑な感情を抱いているアルバムで、というのも当時リアルタイムでこのアルバムを聴いてるんですけど、その時超絶拗らせてたんで「なんでボカロじゃなくて人に歌わせてる曲が入ってるんだ」って思って(なんでってコンセプトが「幻実」だからなんですけど)ボカロが歌ってない曲は全然聴いてないんですね。それはそれとして同時期の古川本舗「Alice in Wonderword」はバリバリ聴いてるんですが。酷い話です。
 2012年当時は千本桜があってカゲプロがあって、ボカロシーンがどんどんメジャー化していってて、でも結局ただボカロを使う必然性もなく商業的には人が歌った方が狭いシーンでちまちまやってるより絶対売れるはずなので売れた順からボカロから人間が歌う曲を作る側にシフトしていくんじゃないかと勝手に妄想してたのでそういう悲観的な偏見があって、ちゃんと聴くタイミングを逃したし長らくバイアス掛けて見てたアルバムでした。
 今改めて聴くと、「オオカミ少年独白」「突然、君が浮いた」「コイサイテハナ*」「バタフライ・エフェクト」等々素晴らしい曲が多数入ってますね。「ロストエンファウンド」「タイガーランペイジ」は今聴いても色褪せない名曲だし。
 これを当時真っ当に聴けてたら、きっと今聴いてる音楽はまた違ったものになってたんだと思います。

 今回こういう試みをしようと思った経緯には、こういった先入観があって無意識に避け続けてたり否定的な評価を下している曲に向き合おうという意図もありました。
 バイアス抜きで見てもあんま好みじゃない曲とかもあったりしましたが、このアルバムを真っ当に聴けただけでも収穫はあったんじゃないかと思います。

24. ことばさがし / Sound Schedule (「456」収録)

(スタジオ版がSpotifyに無いのでライブ版を入れてます)
 サビから始まる壮大で感動的なロックバラード、と思いきやAメロBメロはなんか殺伐してるのが面白い曲。でもやっぱ感動的な曲だなあと思う。
 Sound Scheduleは「ピーターパン・シンドローム」が大好きで皆さんも好きだと思うんですが、今回聴き返してもしかしてこのバンドって僕が思ってるより遥かに凄いバンドなのでは、と思ったりしました。

25. FREE HAND / SUPERCAR (「ANSWER」収録)

 SUPERCARはアルバム毎に全然違うんでその時その時で一番好きなアルバムが変わったりしますね。でもだいたい「JUMP UP」「Futurama」「ANSWER」の3択にはなる。過剰であれこれやってるのが好きなので……。
「ANSWER」はなんというか、不思議なアルバムですよね。僕が無知なだけなんですけどこういうタイプの音楽を他に聴いたことがない。つかこのアルバムのジャンル何……? ポストロックでいいの……?
 というわけで「ANSWER」好きなんですけど何気にこの曲はあんまり聴いてなかったんだなーという。サビのアルペジオ良いなあ。このアルバムのギターの音マジで良い。

26. イマジン / Syrup16g (「My Song」収録)

27. テイレベル / Syrup16g (「My Song」収録)

「My Song」は凄まじく濃いEPだなぁと改めて思いました。
「テイレベル」、こんなどうしようもない歌詞なんですけど「まだ言う」でメロディラインともども壮絶に浮遊していくのがなんか高尚な曲って気にさせられてすごい。
 問題は「イマジン」ですね。この曲、長らく「名曲」とされてますが個人的にはずーっとピンと来てなかったんですね。というか今でもピンと来てないと思う。凄まじい歌詞なんですよ。もう本当に後戻りの叶わない人間が「幸せはヤバいんだ」(「夢」)と歌う、その意味するところを残酷なまでに歌った曲。そんな曲にあっさりと共感してしまったらそれこそヤバいし、こんな境地なんて本当に書いた人にしか至れないんじゃないかと思う。そりゃ「こんなんでいいんだろうか そんな訳ないだろう」って思うことなんて毎日のようにありますけど、「空は空の色のまんまで人は人のまんまでそのままで美しい」なんて救いかどうかもわかんないし俗世間を超えたところに行っちゃってる気がするしそんな考え方も自分のような弱い人間にはそうそう受け入れられないし結局五十嵐さんもずっと悩んでるまんまで、つまるところSyrup16gが歌う俗世間の苦悩に対する一番残酷な答えをこの曲で一回出しちゃってるわけでそれを簡単には受け入れられないということですね。
 きっと歳取ったらもっと刺さるんだと思います。今はここまでで勘弁してください。
 この「イマジン」の後に「テイレベル」置いてるの、本当に度し難い……。

28. Midnight Down / the pillows (「RUNNERS HIGH」収録)

 割とこれも人気曲だと思うけどピンと来てなかったシリーズ。めっちゃ良い曲ですね……。勢いで駆け抜けてく3分半。

29. A Man of Great Promise / The Style Council (「Our Favourite Shop」収録)

「But you were always chained~」からのコード進行が好きです。切なくてノスタルジックな気持ちになる。

30. Across This Antheap / XTC (「Oranges & Lemons」収録)

「Black Sea」以降のXTCのアルバムに一曲は入ってる気がする民族音楽入った曲。この曲マジで展開もコード進行も捻じくれてて本当にアンディ・パートリッジって人は……って思う。急に泣きメロみたいになるのも意味わからんし。好きです。

31. 裸の太陽 / YUKI (「WAVE」収録)

 このアルバムは「長い夢」と「ふがいないや」ばっかり聴いてた(2つとも名曲)んですけどこの曲もメロディがとてもポップで好きでした。

32. あの日どこかで / カーネーション (「SUPER ZOO!」収録)

 実はこの曲、直枝政広さんのセルフカバーで一回「あんま聴いてなかったけどめっちゃ良い曲やんけ……」って気づいた曲でした。2回歌を回し終わった後のCメロ、コード進行と気だるげな歌があまりにも美しい。

33. ケムリマン / キャプテンストライダム (「BAN BAN BAN」収録)

 結局ロキノン系的な良メロのギターロックにノスタルジーを感じてしまって弱いってだけなんですよね。「君が泣いたのは煙が目に染みただけなのさ」がメロディと相まって泣ける……。ラスサビで声を張り上げるのもベタですが胸を打ってきます。
 キャプテンストライダムは1st「ブッコロリー」がマジで大好きでそれ以降はあまり触れてないって感じなんですけど「流星オールナイト」とか「恋するフレミング」はめっちゃ好きです。キャプストゼロ年代ポップロックを象徴するバンドって感じで聴くとノスタルジックかつ寂しい気持ちになります。

34. 恋わずらい / クラムボン (「ドラマチック」収録)

 今回聴き返してて「ドラマチック」もしかしてめっちゃ良いアルバムでは?と思いました。「ジョージ」「サラウンド」「レインボウ」「残暑」「便箋歌」そして「恋わずらい」が並んでるんですよ? ラストは「ララバイ サラバイ」が待ち受けてるし。いやずっと過渡期のアルバムだと思ってたわ……。
 この曲もさらっと流してたんですけどエグいですね。プロデューサー(亀田誠治氏)の貢献もあるかもしれませんが、この曲の展開の広げ方、盛り上げ方はマジですごい。月並みですけどマジでドラマチックだ。

35. ナタリー / さよならポニーテール (「魔法のメロディ」収録)

 これめっちゃ良い曲じゃないですか!? なんで見落としてたんだ……。つかこんな分かりやすく良い曲ないだろ……。ド頭にサビ来てんのに……。
 というわけでこのアルバムだと「放課後黄昏交差点」ばっかり聴いてたんですが今回聴き返して初めてこの曲の良さに気づきました。どこを取っても最高にノスタルジックなギターポップで最高。あとユニゾンにはやっぱ力があるなあと思う。

36. フラグメント / ハートバザール (「さいはて」収録)

 今回の試みで一番の掘り出し物は間違いなくこの曲でした。
 皆さんからすればこれが??って感じだと思うし、このまったりポップな普通のギターロックがどうしたんじゃいって感じだと思うんですけど、このほのぼのした感じがめっちゃ好き。無駄も無く過剰も無い。バタバタしたドラム、ポップで甘酸っぱいメロディ、ほど良く熱のあるボーカル、可愛らしいコーラス、全てが丁度いい。
 ゼロ年代初頭のギターロックバンドの良さがここに詰まっている。ここ数ヶ月はマジでこればっかり聴いてました。

37. Floating Shelter / ピノキオピー (「Obscure Questions」収録)

 ピノキオピーはガッツリ追ってるわけではないんですが、「不思議のコハナサイチ」「すろぉもぉしょん」「こどものしくみ」はすごい好きです。
 この曲は結構ピノキオピーにしては珍しい作風の曲なんじゃないかなと思う(結構あったらごめんなさい)。まずあんまりピアノが前面に出てるイメージがない。あと音を過剰に詰め込むイメージがあるんですが、割とこの曲はすっきりしてます。そんなどことなく儚げな感じのする曲。サビのコード進行好き。あんまり見ない進行だと思う。

38. Go Go Round This World! / フィッシュマンズ (「1991-1994 singles & more」収録)

 ホーンとかに当時の渋谷系っぽさを感じつつ、後のSEASONに繋がりそうな空気感もある曲(というか歌詞がそれっぽい)。

39. プレアデスルーレット / フーリンキャットマーク (「琥珀のアルテミス」収録)

 キラキラしたサビにアイドルポップっぽさを感じる曲。フーリンキャットマークはやっぱリハーモナイズというかコード進行がめっちゃ良いですね。

40. パンドラボックス / ポルカドットスティングレイ (「有頂天」収録)

 結局こういうガチャガチャしたカッティング+四つ打ちロックが好き。なんどめだ。

41. おかしな2人 / ユニコーン (「服部」収録)

 この曲も聴き直してまあまあ驚きでしたね。えっこの曲こんな良い曲だったん……?って思った。服部は「大迷惑」は勿論ですけど「パパは金持ち」「デーゲーム」「人生は上々だ」が好きで、まあまあちゃんと聴いてたと思ってたんでいかに自分がザルだったかを思い知らされました。
 基本はストレートなビートロックなんですけど、突然切なげになったりするのが不思議。そしてラストに一気にサビが来るという構成がすごい。カタルシスって感じ。

42. ユー・エフ・オー / 吉田ヨウヘイgroup (「paradise lost, it begins」)

 ずーーっとループするギターリフが中毒性高い曲。吉田ヨウヘイgroupの曲ってだいたいトリッキーなフレーズで曲を埋めてく曲作りな気がしますが、その真骨頂みたいな曲ですね。

43. サン・カムズ・アップ / 禁断の多数決 (「はじめにアイがあった」収録)

 禁断の多数決を久々に聴いた……。このバンドのコピーライティングのセンスとかはかなり好きでした。
 シンセの壁の裏で鳴る歪んだギターとか、下手なボーカルとか、「さんかむずだーん」のやる気ない言い方とか、サブカルだなぁと思う。なんだかんだ好きです。

44. 夜と明日のレコード / 空気公団 (「夜はそのまなざしの先に流れる」収録)

「夜はそのまなざしの先に流れる」、第二期以降の空気公団では断トツに好きなんですがよりによってこの曲を見落としていた。この曲でタイトルコールがされるのさえ気づいてなかった……。
 この曲はアルバムのクライマックス的な曲で、ラストに向けてゆっくり少しずつ、確実に盛り上がっていく曲。アルバム自体がそうなんですが、夜の静けさを感じさせる空気感に満ちている曲で、空気公団はやっぱり夕暮れ~夜が似合うバンドだなあと思う。空気公団が夜の曲を作ったら右に出るバンドはそうそう無いです。

45. 惑星 / 高橋徹也 (「ある種の熱」収録)

 こちらも夜の静謐さを感じさせるジャジーな曲。零れ落ちるようなピアノのタッチが印象的。「広がる景色 思考の砂漠へ」というフレーズと共に音の方にもシンセが入ってきて、一気に空間が広がっていく感覚を覚える。

46. 恋と嘘 / 赤い公園 (「熱唱サマー」収録)

 イントロからキュートでポップな曲かと思いきや結構ギターがゴツい曲。

47. サイダー / 赤い公園 (「猛烈リトミック」収録)

 疾走ロック。サビのメロディ好き。
 赤い公園は前々から好きだったんですが、改めて聴き返すとあれもこれも良い曲ばっかりですね……。

48. 赤い屋根の下で / 倉橋ヨエコ (「色々」収録)

 これ入ってるアルバム(「色々」)は「損と嘘」と「今日も雨」という倉橋ヨエコの代表曲2つが入っておりましてそればっかり聴いてたんですけどこれもめっちゃ良い曲ですね。倉橋ヨエコの真骨頂が出てる曲だと思う。
「あなたの心に折り畳みの椅子持ち込んでずっと見張ってたい 手には双眼鏡」っていういつもの依存ソングなんですけど、曲調が超ポップなのでそれが怖い。よくある「躁」って感じでもなく、ピアノ基調のバンドサウンドでそこに軽やかなフルートが入ってきたりとかして穏やか〜に進んでく曲なので末恐ろしい。声高らかに歌われる「動かないよ」「そらさないよ」ヤバ過ぎる……。
 まあでも歌詞は置いといてめっちゃ好みなメロディなので好きです(結局それ)。

49. あいあい / 倉橋ヨエコ (「色々」収録)

 イントロの勢いがすごい。シンセ盛り盛りのギターロックって感じで良くも悪くもゼロ年代後半女性シンガーっぽいアレンジなんですが、歌詞がやっぱりすごいのでアレンジと相まってかなり歪。「あなたと恋するためっにー私あいあい生まれてきました」ですからね。
 多分アレンジもわざとやってると思います。こんな言うなれば化粧盛り盛りな曲に「排水溝に流れてく無駄な努力~偽物顔だもん」という歌詞を乗せる悪意。いや悪意なのかも分からんし、無邪気なのかもしれんけど。

50. わたしは人類 / 相対性理論 (「調べる相対性理論」収録)

 この曲は完全ノータッチだったわけじゃないんですが、改めて聴いてやっぱ凄まじいし重たい曲だなあと思いました。「愛のせいにしたい」のフレーズ強すぎる。

51. 言いだせなくて / 大貫妙子 (「MIGNONNE」収録)

 シティポップ前夜、みたいなオシャレさと素朴さが入り混じってる曲。カッティングとか入りつつもシティポップ的なバキバキ感は薄くてさらっと流れてくのが好みです。特徴的な転調もあったりしますね。

52. Make Up / 米米CLUB (「KOMEGUNY」収録)

 米米CLUBはこのアルバムしか聴いたことないです、って書こうとしたけど「SORRY MUSIC ENTERTAINMENT」聴いてたわ……。
 でも今回聴き返して結構好みな曲多いなと思いました(この頃は音源では本気出してなかったっぽいですが)。80年代後半の低音が効いたファンクなポップス感が好き。

53. 柔らかいローウィン / 藍坊主 (「ハナミドリ」収録)

 この曲も掘り出し物でした。サビまではさらっと流れてく牧歌的なギターポップなんですが、サビであんまり聴かないような転調の仕方するんですよね。はっとさせられる。実験的な要素を取り入れ始めた頃の曲だと思いますが、それがかなり良い感じに作用してる気がする。

Spotifyになかった曲

54. ロードムービー / Climb The Mind (「とんちんかん」収録)

 再録の方です。トリッキーな展開や長い間奏、その全てが「全てはロードムービーのように終わるのか 悲しいね」のフレーズに帰結する瞬間のカタルシスには筆舌に尽くしがたいものがあります。

55. TRAMPOLINE GIRL / NUMBER GIRL (「OMOIDE IN MY HEAD 4 ~珍NG & RARE TRACKS~」収録)

56. KNIT / NUMBER GIRL (「OMOIDE IN MY HEAD 4 ~珍NG & RARE TRACKS~」収録)

「SAPPUKEIより初期のトランポリンガールが好き」という人をたまに見かけるんですが、最近そう言う人の気持ちが分かってきた気がします。ここには間違いなくメジャーデビュー後には無い魅力がある。音質の悪さ、演奏のバタバタしてる感じ、ボーカルのへろへろな感じ、どれもすごく魅力的だなあと思う。

57. 地球人のカラダ / the body of earthling / Serani Poji (「オチャメカン」収録)

 なんでセラニポージSpotifyに無いのかマジで理解に苦しむ。この曲はループするラウンジなトラックをバックに伸びやかに歌うメロディが美しい曲です。

58. 今日はなんだか (Live) / SUGAR BABE (「SONGS」収録)

 シュガーベイブSpotifyに無いのは分かる。しかしまあ演奏上手い……。

59. Annie / カフカ (「cinema」収録)

 カフカも結構久々に聴きました。解散しちゃいましたしね……。この曲はキラキラしたギターとキャッチーなメロディーが印象的な疾走感あるロック。

60. キノコホリック / 鉄腕トカゲ探知機 (「大快晴ストリップ」収録)

 勢いだけで突っ走る東方アレンジ。上昇してくコード進行好き。

まとめ

めっちゃ大変だったのでもう後10年はやりません。